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特集 蕁麻疹と蕁麻疹様紅斑
総説3
Schnitzler症候群国内症例のまとめ
Summary of Schnitzler syndrome in Japan
伊藤 莉子
1
,
神戸 直智
1,2
Riko Takimoto-Ito
1
,
Naotomo Kambe
1,2
1京都大学大学院医学研究科皮膚科学
2京都大学医学部附属病院アレルギーセンター
1Department of Dermatology, Kyoto University Graduate School of Medicine
2Center for Allergy, Kyoto University Hospital
キーワード:
Schnitzler症候群
,
単クローン性IgM血症
,
慢性蕁麻疹様皮疹
,
自己炎症症候群
Keyword:
Schnitzler症候群
,
単クローン性IgM血症
,
慢性蕁麻疹様皮疹
,
自己炎症症候群
pp.594-600
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.24733/pd.0000003854
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●Schnitzler症候群(Schnitzler syndrome:SchS)は慢性蕁麻疹様皮疹と単クローン性IgM(またはIgG)を特徴とする,後天性の自己炎症症候群と捉えられるまれな疾患である.
●本邦で臨床的にSchSと診断された36症例について臨床情報の集積と解析を行ったところ,海外からの既報とおおむね一致した.
●慢性蕁麻疹様皮疹はほかの症状に先行し,症状が完成するまでに数年かかることもある.とくに,M蛋白血症や高IgM血症は最初の2~3年では現れないことがあるため,SchSを疑う場合には,免疫グロブリンを継続的にモニターする必要がある.
●重度の症状や持続的な炎症マーカーの上昇がない症例は,コルヒチンでコントロールすることが推奨されており,コントロールがつかない症例はIL-1標的療法で治療することが望ましい.ただしIL-1を抑えても血液悪性腫瘍への進展は抑制できない可能性があり,追跡調査と病態解明の必要がある.
(「ポイント」より)
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