胸部外科 71巻6号 (2018年6月)

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気胸は,疫学的には細長体型の若年男性に多く認められ1),女性には比較的まれな疾患とされている.諸家の報告に差はあるが,自然気胸の約12%,続発性自然気胸の約17%を占めるにすぎないとの報告もあり2),またその成因など不明な点もまだまだ多い.

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大動脈縮窄症において,大動脈弓再建術後再狭窄に対する外科治療は,大動脈形態や手術時年齢によってさまざまな術式が報告されている1,2).われわれは直接吻合法による大動脈弓再建術後の再狭窄に対し,正中切開アプローチにより鎖骨下動脈フラップ法(SCF)と鎖骨下動脈再建を同時に行い,良好な経過を認めた2例を経験したので報告する.

まい・てくにっく

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Jatene手術における冠状動脈の移植はすべて連続した手順であり,一つひとつの作業が最後の形態に深くかかわることに留意する必要がある.

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急性A型大動脈解離に対する上行大動脈置換術後遠隔期に,再手術が必要となる場合がある.近位側再手術としてBentall手術および遠位側再手術としてオープンステントグラフト(OSG)1)を用いた弓部大動脈置換術を同時に行った症例を経験したので,報告する.

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感染性心内膜炎(IE)による弁輪部膿瘍は発生部位,大きさ,拡大方向によってさまざまな病態を示す.弁輪部膿瘍に対する手術は膿瘍腔の郭清を徹底的に行い,必要なときは弁輪部の形成後に弁置換を行うことが重要となる.大動脈弁はIEの好発部位であるが,mitral-aortic intervalvular fibrosa (MAIVF)の仮性動脈瘤形成は比較的まれである.大動脈弁位の活動期IEに対し,MAIVF膿瘍へのパッチ形成および弁置換術を施行した後,パッチ離開によりMAIVFに仮性動脈瘤拡大をきたした1例を経験したので報告する.

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右心系の感染性心内膜炎(IE)は抗生物質投与による内科的治療が奏効することが多く,手術適応に関して議論が多い.心室中隔欠損症(VSD)に肺膿瘍を合併するIEの2例を経験したので報告する.

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癌治療の進歩により癌患者の長期予後が期待できるようになり,重複癌例を経験することが増えてきた.われわれは重複癌で左右に1個ずつの肺腫瘍を認め,左右別々の原発巣からの転移であった症例を経験したので報告する.

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片側肺動脈欠損症は患側近位部肺動脈が欠損するまれな先天性奇形である.心奇形を合併する症例では肺高血圧症も合併して予後不良であるが,心奇形を合併しない孤立性片側肺動脈欠損症は無症状に経過し,偶発的に検診などで発見される例も報告されている.われわれは,孤立性片側肺動脈欠損症の健側肺に発生した転移性肺腫瘍に対し,肺切除術を施行した非常にまれな1例を経験したので報告する.

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肺癌取扱い規約第8版によれば,胎児型腺癌は胎児肺に類似した成分により構成される腫瘍で1),まれな腫瘍とされている.全肺癌の約0.1%との報告もみられる2).胎児型腺癌切除の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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胸郭上口付近の縦隔腫瘍の切除は,操作空間が狭く,神経や血管が入り組んでいるため,操作に注意が必要である.本例は右上縦隔の腫瘍で大きさが5 cmを越え,結核性胸膜炎の既往と胸膜の広範な肥厚があり,肺尖部の強固な癒着が考えられた.そのため,胸腔鏡アプローチでは操作困難と判断し,鎖骨上窩アプローチに胸骨柄切離を加えて切除術を施行した.

連載 行ってきました! 海外留学 (第45回)

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2009年9月~2013年12月の4年4ヵ月の期間,北米に留学した.2009年9月からは米国・ウィスコンシン州にあるウィスコンシン大学心臓胸部外科で研究員として勤務した.指導教官は留学前からお世話になっていた甲元拓志先生とDr. Nilto De Oliveiraの2人であった.甲元先生の指導のもと,心停止ドナーからの心臓移植に関する実験を行った.また,Dr. Oliveiraとex vivo 肺移植に関する実験を行った.2011年1月~2012年12月の2年間はカナダ・トロントにあるThe Hospital for Sick Children(通称Sickkids)でDr. Van Arsdellのもと,クリニカルフェローとして先天性心疾患の外科治療を学んだ.2013年1~12月の1年間はSt. Michael HospitalでDr. David Latterらから後天性心疾患手術を学んだ.

連載 胸部外科発展の軌跡―パイオニアの原著と足跡を綴る (第30回)

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胸部大動脈瘤は高齢化社会の中で定期健診などで発見されて増加傾向にあるが,至難の手術も術式改良,補助手段の進歩,簡便化手術などによって治療成績が著しく向上されてきた1~3).

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はじめに 肺葉切除後の左房内血栓症は比較的まれであるが,患者側の因子のみならず,肺葉切除術の術式により発生率が異なる可能性が指摘されている.特に左上葉切除後に残る左上肺静脈断端での血栓形成が多くみられる1).われわれは肺左上葉切除後の遠隔期に,左房内に肺静脈断端部から起始する血栓を認め,血栓摘除および左上肺静脈断端切除を行った症例を経験したので報告する.

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はじめに 冠状動脈瘻を合併した冠状動脈瘤破裂はきわめてまれな疾患であり,われわれは交通動脈でつながる二つの冠状動脈瘤破裂の症例を報告する.

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はじめに 冠状動脈起始異常は,若年者の突然死の原因の一つとして知られている1).日常的に症状が出ないことがほとんどであり,不整脈や心停止を起こし,その際の検査で発見されることも多い2).われわれは,サッカーの試合中に胸痛および意識障害を起こして発見された,大動脈壁内走行を合併した左冠状動脈起始異常に対し,unroofing法を施行した症例を経験したので報告する.

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はじめに 外傷による鈍的大動脈損傷の中でも大動脈基部損傷はまれであり,発症すれば致死的である.われわれは,開心術の既往のある患者に発症した多発外傷を伴う上行大動脈・基部損傷に対し,受傷後2日目に手術を行い,救命しえたので報告する.

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はじめに 従来PryceⅠ型肺分画症と呼ばれていたものは,現在では血管分布異常との認識から肺底動脈大動脈起始症と呼ばれている.われわれは肺底動脈大動脈起始症に対して胸腔鏡下左下葉部分切除を施行した1例を経験したので報告する.

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はじめに 腸型肺腺癌は世界保健機関(WHO)分類で特殊型に分類されるまれな組織型で,大腸癌肺転移との鑑別が困難であり,悪性度が高い組織型であるとされている.われわれは腸型肺腺癌の1例を経験したので報告する.

胸部外科医の散歩道

再遭遇 近藤 晴彦
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「近藤先生ですよね!?」.大学病院のキャンパス内で突然,私と同年代くらいの女性から声をかけられた.はて,どこかでみたような気もするが,よく思い出せない.

基本情報

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胸部外科
71巻6号 (2018年6月)
電子版ISSN:2432-9436 印刷版ISSN:0021-5252 南江堂

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