保健師ジャーナル 76巻11号 (2020年11月発行)

選択した文献の文献概要を表示する書誌情報をダウンロードする

すべて選択

特集　統括保健師—憧れのポストになるために

扉 76巻11号 , 2020年11月 , pp.893

PDF(61KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

新型コロナウイルス感染症への対応において，統括的な役割を担う保健師による組織全体を見渡した人材・業務の調整や他組織との連携の重要性が再認識された。本特集では，統括保健師の現状や課題とともに，望まれている姿や統括保健師としてやりがいをもって活動した事例を紹介し，統括保健師の意義や魅力をあらためて捉える。

統括保健師に望まれることとは—現状と課題を通じて加藤　典子 76巻11号 , 2020年11月 , pp.894-898

PDF(2219KB)

有料閲覧

文献概要を表示

近年の統括保健師を取り巻く動きや現状について報告し，その課題を分析するとともに，統括保健師に望まれる役割や活動について，今後の新型コロナウイルス感染症対応における期待も含めて述べる。

統括保健師に求められる力とそれを伸ばすために—統括保健師の活動展開に関する留意点を踏まえて春山　早苗 76巻11号 , 2020年11月 , pp.899-905

PDF(2610KB)

有料閲覧

文献概要を表示

「地方公共団体における効率的・効果的な保健活動の展開及び計画的な保健師の育成・確保について」総合報告書において，統括保健師の活動展開に関する留意点が示された。その内容を踏まえた統括保健師に求められる力と，それを伸ばすために必要なこと，また若手や中堅期の育成の在り方についても述べる。

現任教育体制の充実を目指した事業の立案と工夫—愛知県における統括保健師の活動事例幾田　純代 76巻11号 , 2020年11月 , pp.906-912

PDF(2616KB)

有料閲覧

文献概要を表示

愛知県の統括的な役割を担う保健師の立場で行った3年間の活動の中でも，優先課題の1つであった「経験の浅い保健師の現任教育充実のための課長や班長をサポートする仕組み」を事業化した経緯や成果を紹介するとともに，やりがいを持って活動できた背景について述べる。

統括保健師の活動からの学び—千葉市における初代統括保健師としての活動を振り返って前嶋　祥子 76巻11号 , 2020年11月 , pp.913-917

PDF(2147KB)

有料閲覧

文献概要を表示

千葉県千葉市の初代統括保健師として4年間務めた経験の中で特に印象に残っている，災害派遣や保健師活動指針策定などの活動と，それらを通じて得たことを紹介する。また，自身の経験を通じて，統括保健師として活動していくために必要なことを述べる。

PHOTO

京都大学におけるCOVID-19流行下の保健師課程教育実習—オンライン代替実習の取り組み平　和也 , 細川　隆也 , 塩見　美抄 76巻11号 , 2020年11月 , pp.887-889

PDF(1561KB)

有料閲覧

文献概要を表示

新型コロナウイルスの流行により，京都大学では，保健師課程の臨地実習について予定していた5週間のうち，4週間をオンライン代替実習として実施しました。本稿は，10月号・11月号の特別記事の報告内容の実施風景です。実習を実践的な内容とするため，健康教育，模擬乳幼児健診，模擬健康相談を行いました。

特別記事

京都大学におけるCOVID-19流行下の保健師課程教育実習②—オンライン代替実習の成果と課題塩見　美抄 , 細川　陸也 , 平　和也 76巻11号 , 2020年11月 , pp.922-925

PDF(407KB)

有料閲覧

文献概要を表示

はじめに

　10月号に引き続き，本学が2020（令和2）年7月の4週間で実施したオンライン代替実習について報告させていただきます。前号では，オンライン代替実習の具体的な展開と可能性についてご紹介しました。

　実習地に赴けず，オンラインという条件下で代替実習内容を工夫してきましたが，やはり大事なのはそこから学生が何を学び得たのかです。そこで本稿では，オンライン代替実習による学生の学習成果と課題について振り返り，報告します。その上で，保健師実習に不可欠な学習内容のうち，代替実習で学べたことは何か，また，臨地でしか学べないことは何かについて考えていきたいと思います。

TOPICS

神戸市と神戸市看護大学が協働した新型コロナウイルス感染症への取り組み山﨑　初美 , 岩本　里織 76巻11号 , 2020年11月 , pp.926-931

PDF(407KB)

有料閲覧

文献概要を表示

神戸市の立場から（山﨑初美）

■神戸市保健所の概要

　神戸市は，人口約152万人，高齢化率28.2%（2020〔令和2〕年3月末）の政令指定都市である。保健師数は201名（2020［令和2］年4月現在）であり，全国の政令指定都市の中で人口に対する保健師の割合が最下位となっている。

　保健師は，保健所を含む本庁（健康局，福祉局，こども家庭局）の保健事業を企画する部署に42名，市内9区10カ所の保健センター機能と保健所機能を併せ持つ部署に154名を配置している（図1）。各区においては，図2の通り，主に健康福祉課あんしんすこやか係と，こども家庭支援課こども保健係に配置されている。

調査報告

市町村保健師が行う養育支援が必要なステップファミリーへの支援曽田　佳澄 , 榊原　文 76巻11号 , 2020年11月 , pp.934-941

PDF(468KB)

有料閲覧

文献概要を表示

はじめに

　2017（平成29）年の人口動態調査^1）によると，離婚件数は21万2262件であり，このうち未成年の子どもを持つ件数は約12万3000件で，全体の58.1％を占める。また，全婚姻件数の内「夫妻とも再婚または一方が再婚」の夫婦の割合は26.6％^1）である。結婚するカップルのおよそ4組に1組が再婚のカップルであり^2），子どもを伴った再婚も多いことが考えられる。

　こうした血縁がない背景を持つ家庭は「ステップファミリー」と呼ばれ，さまざまな問題を抱えることが明らかにされている。

　例えば，継親，特に継母は，継子の母親代わりになることを期待され，それを自らも遂行しようとすることで高いストレスを経験する^3）。継母は，母親役割を十分に果たせていないと感じている者が多く，うつ病の罹患率は非ステップファミリーの母親の約2倍である^4）。また，実親は継親との新しいカップル関係と実親子関係の間で板挟みとなり，悩みを抱えることがある^5）。

　一方，継子は，継親を受け入れることは離婚した実親を裏切ることのように感じ，罪悪感や忠誠心をめぐる葛藤を抱え^5），さらに，実親が継親との新しいカップル関係を優先させることに疎外感や孤独感を味わう^6-8）と言われている。加えて，継子は初婚家族に比べ，高校・大学進学率が低い^9）ことが指摘されており，子どもの成長発達の面においても課題があると言える。

　昨今，血縁関係のない親や内縁関係にある者が児童虐待事件の加害者として取り上げられるニュースをよく目にする。ステップファミリーは結婚とともに転居する事例も多く，わが国における2017年度の虐待死事例のうち「転居あり」について，同居していた家族形態は，「実父母」42.0％，「1人親」16.7％，「内縁関係」16.0％，「再婚」10.7％である^10）。内縁関係については，後に婚姻する可能性もあり，ステップファミリー予備軍として考えられる。「内縁関係」と「再婚」を合わせると36.7％となり，「実父母」に次いで多い。

　中澤^11）は，ステップファミリーの虐待の特徴として，身体的虐待と性的虐待が他の類型と比べて多く，加害者としては継父が多いと明らかにしている。また，心理的虐待は全てが継母によるものであり，継子との関係形成の難しさに加え，「良い母親であらねばならない」という自らの意識が継母を追い詰め，虐待に向かわせるという構図を指摘している^11）。新たな家族や生活を築いていくステップファミリーには，家族形成の問題に加えてさまざまなストレスがかかるため，虐待のリスクも考慮する必要がある。

　以上のように，ステップファミリーは家族構成の変化に伴って，さまざまなリスクを抱えるため，無理のない家族発達の在り方をサポートすることが重要である^3）。しかしながら，ステップファミリーへの具体的な支援の内容については明らかにされていない。

　そこで，本調査は母子保健事業の中で子育て支援を担う市町村保健師に焦点を当て，養育支援が必要なステップファミリーに行ってきた支援の内容について明らかにすることを目的とした。

連載　「おも★けん！」新任期でもできる！おもしろ健康教育のつくり方・8

心を動かす媒体づくりのテクニック②—まだまだある！パワポを魅力的にするコツ伊藤　純子 , 高橋　佐和子 , 一般社団法人おもしろ健康教育研究所 76巻11号 , 2020年11月 , pp.946-950

PDF(1393KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　分かりやすく効果的なスライドを作るための基本は「シンプルさ」。でも，そうなると気になってくるのが，デザインのコツです。センスに自信がない方も，少しの工夫でぐっと上級者に近づきます。ここからは，Microsoftパワーポイント（以下，パワーポイント）を見やすく，印象に残りやすくするためのデザインのコツやテクニックを学びましょう。

連載　ネウボラから学ぶ日本の母子保健再構築・8【最終回】

フィンランドのネウボラの必須のシステムを取り入れた自治体の活動の振り返り横山　美江 76巻11号 , 2020年11月 , pp.952-955

PDF(1371KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　フィンランドの母子保健は，国際的にも高い評価を受けており，優れたシステムを有している^1）。このフィンランドにおける母子保健活動の地域拠点が「ネウボラ」である。日本では，妊娠が分かれば向かう先は病院であるが，これまでの連載でもご紹介したように，フィンランドでは妊娠が分かれば向かう先は病院ではなく妊産婦ネウボラに行く^1）。そして，妊婦とその家族は，ネウボラを定期的に受診する。ネウボラには，地区ごとに担当保健師がおり，その家族に対して健康診査，両親教室あるいは家庭訪問などの保健事業を通じて同じ担当保健師が継続的に支援を実施している。出産後も同様に，子どもネウボラの担当保健師が家族全員に対して継続的に健康診査や家庭訪問等の保健事業を通じて支援する^1）。

　このようなネウボラの活動の中で必須と言えるシステムは，❶子どもを持つ地域に在住する全ての家族への継続的な支援（ポピュレーションアプローチ）により構築される担当保健師との信頼関係と，❷父親を含めた家族全員の支援である^1）。このシステムがあるからこそ，保健師は家族との信頼関係を築きやすく，家族の抱える繊細な問題を早期に発見し，支援につなげることができている。

連載　ポジティブな地域づくりを考える　ポジティブ心理学×公共哲学から見る公衆衛生活動・8

個人の美徳と強み島井　哲志 , 小林　正弥 76巻11号 , 2020年11月 , pp.956-962

PDF(706KB)

有料閲覧

文献概要を表示

　第8回は，まず島井氏が，ポジティブ心理学が提起・分類した「強み」の種類と主観的幸福感との相関や，「強み」を活用する上でのポイントについて解説します。後半はそれを踏まえて小林氏が，この提起が哲学・倫理学と心理学の架橋となったことや，美徳の発揮による幸福を示す「Flourish」について説きます。

連載　研究室からのメッセージ・176

名桜大学人間健康学部看護学科　地域看護学田場　真由美 , 比嘉　憲枝 , 本村　純 , 島袋　尚美 , 根間　京子 76巻11号 , 2020年11月 , pp.965

PDF(436KB)

フリーアクセス

文献概要を表示

History and Now

どのような機関なのでしょう？

　本学は1994年に公設民営の私立大学として設立し，2010年に80番目の公立大学として生まれ変わりました。当時は国際学部の1学部でしたが，その後，大学院国際文化研究科，人間健康学部スポーツ健康学科，2007年には看護学科を開設し，2011年に大学院看護学研究科（修士課程）を開設しました。さらに，2016年に助産学専攻科，2019年に国際文化研究科国際地域文化専攻博士後期課程を設置し，現在は地域における教育の拠点を目指しています。

--------------------

目次 76巻11号 , 2020年11月 , pp.890-891

PDF(149KB)

フリーアクセス

バックナンバー一覧 76巻11号 , 2020年11月 , pp.918

PDF(842KB)

フリーアクセス

今月の3冊プラス1 76巻11号 , 2020年11月 , pp.944

PDF(272KB)

フリーアクセス

INFORMATION　学会・研究会・講演会などのお知らせ 76巻11号 , 2020年11月 , pp.966-968

PDF(230KB)

フリーアクセス

次号予告・編集後記 76巻11号 , 2020年11月 , pp.970

PDF(176KB)

フリーアクセス

基本情報

保健師ジャーナル
76巻11号
(2020年11月発行)

電子版ISSN：1882-1413 印刷版ISSN：1348-8333 医学書院

お気に入り登録(雑誌)
お気に入り登録(号)
最新号をみる

前身誌

保健婦雑誌

バックナンバー ( 閲覧可 )

文献閲覧数ランキング(
3月10日～3月16日
)

第1位人口減少社会における公衆衛生上の課題と保健師活動尾島俊之保健師ジャーナル 81巻 1号 pp. 10-16 (2025年2月10日) 医学書院
第2位精神疾患を抱える妊産婦への子育て支援における保健師の役割蔭山正子保健師ジャーナル 78巻 5号 pp. 358-363 (2022年10月10日) 医学書院
第3位東日本大震災における保健所および市町村保健センター保健師の活動の困難浦橋久美子,齋藤澄子,白木裕子,松本敦子,永井美登利,鈴木貴恵,下田礼子,中原夏美保健師ジャーナル 70巻 9号 pp. 802-809 (2014年9月10日) 医学書院
第4位家族理論が示唆する家族支援の基本渡辺裕子保健師ジャーナル 74巻 9号 pp. 743-752 (2018年9月10日) 医学書院
第5位切り札としての訪問支援—連載のはじめに船越明子保健師ジャーナル 79巻 2号 pp. 132-137 (2023年4月10日) 医学書院
第6位和木町における母子保健と児童福祉が連携するための保健師の取り組み遠田千春保健師ジャーナル 79巻 2号 pp. 117-123 (2023年4月10日) 医学書院
第7位保健師記録の情報開示の基本—開示請求をどのように捉えるか菅原京子,栁澤尚代,清水洋子,吉本照子保健師ジャーナル 77巻 3号 pp. 248-256 (2021年3月10日) 医学書院
第8位個別事例から始める「地区診断」演習―学生の学びを深める演習用教材の工夫牛尾裕子,嶋澤順子保健師ジャーナル 71巻 4号 pp. 296-301 (2015年4月10日) 医学書院
第9位高LDLコレステロールの病態理解と保健指導の展開野口緑保健師ジャーナル 81巻 1号 pp. 80-87 (2025年2月10日) 医学書院
第10位 —【埼玉県の取り組み】—県内保健師の連携とネットワークの再構築で健康危機管理に備える鈴木しげみ保健師ジャーナル 80巻 1号 pp. 28-34 (2024年2月10日) 医学書院

投稿規定

年間購読申込