助産雑誌 70巻11号 (2016年11月)

特集 開業助産師の実践する助産ケア 後輩に伝え,残しておきたいこと

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現在実践している助産ケアを,6軒の助産院のみなさんにご紹介いただきました。

妊娠期,分娩期,入院中,産後など,それぞれの時期にわけて,できるだけたくさんの知恵や技術をまとめました。開業助産師の助産ケアは,大きな病院でも実践可能です。まったく同じように再現できなくても,その助産ケアの根底にある意図をくみ取ることができれば,応用できるでしょう。

地域や施設を超えた,先輩助産師から後輩助産師たちへのメッセージを伝えます。

後輩に伝えたい助産ケア 矢島 床子
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助産院で行なっている妊産婦に対する助産ケアで何を大切にしているか,どのような気持ちで妊産婦とその家族を支えているのか,矢島院長の思いを綴っていただきました。

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お産に至るまでの過程で,妊娠期の身体づくりは特に重要です。妊婦と向き合い,言葉に表わさない妊婦の背景に何があるのかを,距離を縮めつつ探ります。そうすることで,妊婦の心も身体も健康に導けるのです。

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産婦の姿勢や動きをよく理解し,汗や声の出し方を観察し,助産師は分娩介助をします。助産技術には,会陰裂傷なく児を娩出させるものから,産婦の不安を取り除くための声かけ,タッチング,環境調整など,産婦がお産に集中できるようにするための配慮までもが含まれます。

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お産が進まない時,限られた時間のなかで打つ手はないか,まずは原因を探ると思います。産婦の疲労,児の不正軸進入,微弱陣痛,回旋異常……。それらに対し,安全を確保しながら助産師ができることを挙げていただきました。

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赤ちゃんが生まれた直後は,家族とともに喜びを共有しつつも,専門職としての業務と配慮が欠かせません。母と子の状態の確認,初回授乳へのうながしなど,静かな状況のなかで行ないます。

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妊娠中と同様に,出産後の入院中も,引き続き母親を第一に考え,育児に集中できるように支えます。と同時に,自宅での生活も意識できるようにかかわります。大切にされた経験は,育児にも影響していきます。

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産後の母親は,心身ともに不安定なことが多いです。彼女らを見守り,寄り添い,困ったことがあればいつでも戻ってこられる場所として助産所があり続けることで,安心して子育てができる環境をつくります。

連載 私たちの仕事場・10

花みずきレディースクリニック
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花みずき10か条

 皆さん「花みずき」の花言葉をご存知ですか。「返礼」「私の思いを受け取ってください」というこの花言葉のように,長崎の皆さんのお役に立ちたい,愛されるクリニックにしたいという思いが,「花みずき」には込められています。その志を忘れないように,クリニックの玄関先には花みずきの木が植えてあり,春には可憐な白い花を咲かせてくれています。

 花みずきレディースクリニック(以下,当院)は,今年10月で13周年を迎えました。開院当初は,どういうクリニックをめざすのか,話し合いが続きました。そして,「自然分娩」「フリースタイル分娩」「不要な医療行為を行なわない」「薬剤に頼らない産痛緩和」「家庭的な雰囲気」「妊娠中の運動推奨」「母乳育児」「完全母児同室」「産後ケアの充実」「禁煙推奨」の10項目をキーワードとした「花みずき10か条」を決め,スタッフの心構えを示しました。

連載 宝物,教えてください・10

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私の宝物は2つあります。1つはトラウベです。お腹の赤ちゃんの心音を初めてトラウベで聴かせていただいたのは37年前。看護学生の母性実習の時でした。ダンダンダンと脈打つ心臓の音が大太鼓のように力強く私の右耳を打ちました。今でもその「命の鼓動」は耳に残っています。助産師として女性の人生に寄り添う時,喜びの誕生や楽しい育児だけではありません。それぞれの悩みや哀しみをもった妊産褥婦さんに,助産師として迷いながらも傍で寄り添う勇気を,その鼓動が与えてくれました。また,大勢の若いスタッフを預かり向き合う役割を担う時,その鼓動は希望の力となってくれました。「命の鼓動」は私の良心を量るものになっていました。

連載 『産み育てと助産の歴史』から見える未来・3

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 私が本書『産み育てと助産の歴史—近代化の200年をふり返る』で執筆を担当したのは,「超音波診断と助産」および「看護系大学の拡大に伴う助産師教育の変容」に関する章です。

連載 ワタナベダイチ式! 両親学級のつくり方・5

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はじめに

「夫が両親学級に来たがらないんですけど,どうしたら連れてこられますか?」

 ——自分が担当している妊婦さんからこのような質問が出たら,現場の皆さん方は,どう答えますか? 何かよいアイデアはありますか?

 現場での課題の1点目は,男性をどのように集めるか,というところにありますよね。

 私の講座を受講してくださる夫婦も,同じような状況を乗り越えてくることが少なくないようです。よく聞く解決策が,私の本を夫に読んでもらったら夫が首を縦に振ったとか,私のブログを読ませた,という話です。ただし,それは私が講師だからできる話。

 ほかには,講師が男性だから,という誘い文句も効果的だそうです。が,これも現場の助産師さんには難しいですよね。

 今回は,両親学級の“集客”についてお話ししたいと思います。

連載 ほんとうに確かなことから考える 妊娠・出産・子育てのはなし・15

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今回のテーマ

 子どもを育てていると,今までなんとなく慣習的に行なっていた物事が,果たしてそれでよいのか,はたまたどうするのがよいのか考えさせられる機会がよくある。このような日常的によく話題となるテーマを,さまざまな側面から1つずつ丁寧に考えていくと,何とも興味深い。今回はそのなかでも特に,生活習慣としての朝食摂取,感染予防としての手洗いや,胃腸炎にかかった時の水分補給,傷の治療法,事故予防などについて考えてみる。

連載 助産研究をしよう 基本を押さえて臨床で活かす!・11

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 今回は,データ収集や分析を終えた後に,研究の成果をどのように公表するかについて取り上げます。研究成果の発表方法は目的や段階によりさまざま。研究結果がそろった時点で報告書や学位論文にまとめる,研究に協力してくれた方々に報告するための資料を作成する,同じ分野の専門家と話し合う機会を求めて学会で発表する,最終版を研究論文として専門雑誌に投稿して研究を完了する,研究者以外の人々にも広く情報提供するためにインターネットで配信する,などがあります。今回はそのなかでももっとも主流である学会発表と論文執筆についてお話しします。

連載 未来の助産師を育てています わたしたちの教育現場・21

愛仁会看護助産専門学校 助産学科
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歴史と自然に囲まれた場所で

 愛仁会看護助産専門学校(以下,本校)は,保健・医療・福祉を包括した総合的な地域医療を展開している社会医療法人愛仁会を母体とした看護師・助産師を養成する学校です。

 本校は,大阪府の北東部にある高槻市に位置しています。歴史と自然に囲まれながらも大阪・京都間のほぼ中央に位置していることから,利便性が非常に高い場所です。

連載 りれー随筆・383

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今年の7月で私は還暦を迎えました。臨床経験15年目からの20年間は,看護師・助産師教育に携わっていました。臨床現場は20年ぶりですが,学生の実習引率,助産師教育ではときどき一緒に分娩介助をしていましたので,臨床から離れていたという実感はありませんでした。

 実を言うと助産師の仕事(分娩介助,産褥ケアなど)が楽しいと思えたのは,助産師教育に携わり,学生と妊産褥婦さんにかかわるようになってからです。おかしな話ですが,朝も晩も関係ない開業助産師の母の仕事を見て,決して助産師にはならないと思っていたにもかかわらず助産師になりました。「助産所を継がないともったいない」と周囲から言われたことに反発していたからだと思います(まったく大人気ない話です)。しかし,「開業助産師のところに生まれて,助産師として素晴らしい環境で育ったんだ,羨ましい」とよく言われていました。

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助産雑誌
70巻11号 (2016年11月)
電子版ISSN:1882-1421 印刷版ISSN:1347-8168 医学書院

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