日本糖尿病教育・看護学会誌 22巻1号 (2018年3月)

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 糖尿病合併がん患者は,化学療法時に使用するステロイド剤により血糖コントロールが悪化すると,感染や治療効果が半減するなどの問題から,糖尿病診療医と腫瘍治療医が連携して安全に化学療法を実施することの必要性が指摘されている.

 当院においても安全に化学療法を受けられることを目的に,化学療法をうける糖尿病合併がん患者の血糖管理基準を明確に示し,化学療法の指示を出す診療科と内分泌代謝科が連携してインスリン治療を必要とする糖尿病合併がん患者が安全に外来化学療法へ移行できるケアシステムを検討し導入した結果,安全な化学療法の推進につながることが示唆された.

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 本研究は,糖尿病性腎症患者の内シャント造設が透析生活に与える影響を明らかにすることを目的に,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いた質的因子探索研究である.参加者は,医療機関で血液透析を実施し,導入して5年以内の2型糖尿病性腎症患者11名であった.分析テーマは,「内シャント造設が透析に向けて建設的に働き,腎不全を自分のこととして受け入れ療養していくプロセス」と「内シャント造設を客体化し,腎不全を実感できないことにより義務的に透析を行うプロセス」の2つが導き出された.2つのプロセスの始点は,内シャント造設告知時の身体想起の違いによるものであった.内シャント造設が,透析している現在の身体との付き合い方に影響を及ぼしていたことが明らかとなった.内シャント造設は,透析準備期だけでなく,透析の告知以前や現在にも影響を与えており,透析準備期の患者の関わり方に活用できることが示唆された.

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 本研究は2型糖尿病患者における失感情症・失体感症,睡眠,抑うつの実態と各々との関連を明らかにすることを目的とした関連探索研究である.I県内の2病院に外来通院する2型糖尿病患者47名に対し,失感情症傾向を評価するTAS-20(20-item Toronto Alexithymia Scale),失体感症傾向を評価するSTSS(Shitsu-Taikan-Shou-Scale:体感への気づきチェックリスト),睡眠の質を評価するPSQI(Pittsburgh Sleep Quality Index),抑うつ傾向を評価するPHQ-9(Patient Health Questionnaire:こころとからだの質問票)を用いて調査を行った.分析にはSPSS Statistics 22.0を用い,記述統計および2群間の比較,ANOVAを行った.結果,2型糖尿病患者の59.6%が睡眠の質が悪いと評価しており,睡眠時間が6時間未満の者と合併症を持つ者に失感情症,抑うつ症状が高い傾向(いずれもp<0.05)がみられた.また,HbA1cと4質問紙との関連はなかった.以上より2型糖尿病患者に対して睡眠の質の向上を支援するとともに,短時間睡眠の改善および合併症を持つ患者に対し,失感情症,抑うつ傾向改善に向けた心理面での支援の必要性が示唆された.

基本情報

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日本糖尿病教育・看護学会誌
22巻1号 (2018年3月)
電子版ISSN:2432-3713 印刷版ISSN:1342-8497 日本糖尿病教育・看護学会

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