Japanese
English
【研究報告】
境界型(IGT/IFG)の成人男性における受診中断に至った経験の意味づけ
Search for the Meaning of Experience to the Discontinuance of Medical Treatment in Adult Men with Impaired Glucose Tolerance (IGT)/Impaired Fasting Glucose (IFG)
井澤 美樹子
1
,
村岡 宏子
2
,
細川 満子
1
,
石鍋 圭子
1
Mikiko Izawa
1
,
Koko Muraoka
2
,
Mitsuko Hosokawa
1
,
Keiko Ishinabe
1
1青森県立保健大学健康科学部看護学科
2東邦大学医学部看護学科
1Department of Nursing, Faculty of Health Sciences, Aomori University of Health and Welfare
2School of Nursing, Faculty of Medicine, Toho University
キーワード:
境界型
,
受診中断
,
認知
,
養生法
,
経験
Keyword:
境界型
,
受診中断
,
認知
,
養生法
,
経験
pp.19-27
発行日 2007年3月15日
Published Date 2007/3/15
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本研究の目的は,Blumerの提唱したシンボリック相互作用論を前提に,境界型(IGT/IFG)の成人男性が,養生法を自分のものにする過程で受診中断に至った経験をどのように意味づけているのかを明らかにすることである.研究協力者は,外来受診を5か月以上中断している境界型の成人男性4名だった.データ収集には,半構成的インタビューを用いた.データ分析は,面接時の逐語録を文脈単位で解釈し,類似した現象をカテゴリー化した.データ収集と継続比較分析を繰り返し行うなかで,ストーリーラインを練り上げ,時間軸に沿って再構成した.分析の結果,境界型の人は,受診中断に至る過程で〈ありたい自己の切り離し〉〈不透明な自己〉〈背負い込む自己〉〈自由を失った自己〉という4つのカテゴリーと9のサブカテゴリーによって一見否定的な意味づけをする傾向があった.この過程で,本研究の協力者は,境界型を認めようとして葛藤しながら,養生法を自分のものにしようと苦悩していた.さまざまな養生法を試してみるものの,手ごたえがなく,自己を信じることができなくなった.そして,強制的に養生法を仕向ける病院の存在を避けたいと思いながら,最終的にそこしかないと認め,追い詰められていた.本研究の境界型の人は,行動を過少評価して成功経験を認めようとしなかった.このことから,成功経験を的確に評価できるよう行動の振り返りや,失敗と認めたときに自分だけで背負い込まないようなアプローチの必要性が示唆された.
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