JIM 12巻12号 (2002年12月)

特集 Generalistに必要な皮膚科の知識

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Question & Answer

 Q:皮膚の診察のポイントは?

 A:①まず発疹の観察を行ってから,そのうえで問診を行う.②なるべく明るい環境で広範囲の皮膚を観察し,それから個々の皮疹へと目を狭めていく.③TSADシステムに従うとよい.

接触皮膚炎 小林 誠一郎
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Question & Answer

 Q:接触皮膚炎の治療で必要なことは何か?

 A:原因物質への曝露・接触を避けること.

アトピー性皮膚炎 松村 都江
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Question & Answer

 Q:アトピー性皮膚炎の患者に合併することの多い疾患は?

 A:喘息やアレルギー性鼻炎が合併することが多い.

脂漏性皮膚炎 畑 康樹
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Question & Answer

 Q:脂漏性皮膚炎の外用剤による治療法は?

 A:ステロイド剤,非ステロイド系消炎剤,抗真菌剤,亜鉛華軟膏など.

乾皮症・皮脂欠乏性湿疹 和泉 達也
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Question & Answer

 Q:乾皮症患者への入浴に対する指導は?

 A:高温,頻回の入浴を避ける.ナイロンタオルは使わない.硫黄を含有している入浴剤は避けたほうがよい.

帯状疱疹・単純ヘルペス 高橋 慎一
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Question & Answer

 Q:帯状疱疹・単純ヘルペスが疑われる症状は?

 A:小水疱が集簇しているのが特徴的,経過とともに小膿疱,びらん・潰瘍,痂皮に変化する.

足白癬 繁益 弘志
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Question & Answer

 Q:足白癬の伝染様式は?

 A:他患者や家族の皮膚糸状菌・病変部鱗屑がスリッパやマットなどを介して付着する.

蜂窩織炎 大畑 恵之
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Question & Answer

 Q:有痛性の紅斑を見たら,何に注意すべきか?

 A:経過(急性か再発性か),個数,性状(壊死や膿瘍など),全身症状,基礎疾患の有無.

蕁麻疹 谷川 瑛子
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Question & Answer

 Q:膨疹を訴える患者に聞くべきことは?

 A:いつから,個々の皮疹の持続時間,掻痒,全身症状,原因の有無.

薬疹 寺木 祐一
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Question & Answer

 Q:薬疹が疑われたなら?

 A:原因薬の速やかな中止と薬疹の正確な診断のために専門医へ紹介する.

褥瘡 杉 俊之
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Question & Answer

 Q:褥瘡の治療薬は?

 A:すべての病期に共通して使用できる外用剤はないため,まず創の評価を行い治療法を選択する.

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Question & Answer

 Q:創傷治癒に影響する局所環境因子は?

 A:①湿潤性、②感染,異物,壊死組織の存在は創傷治癒を遅らせる,③局所の温度やpH,④大気中および血行性に供給される酸素濃度など.

PCにおける皮膚血管炎 陳 科栄
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Question & Answer

 Q1:皮膚血管炎の診療の際に注意すべきことは?

 A:①発疹の形(手で触診して紫斑は隆起しているかどうか,紅斑,潰瘍や有痛性結節の有無),②発熱,関節痛または関節炎,末梢神経炎および胸痛や腹痛などの全身症状を伴うかどうか,③検尿と検便で潜血尿や潜血便の有無.

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Question & Answer

 Q:悪性黒色腫を診断する5つのポイントは?

 A:A(asymmetry:非対称性),B(border:辺縁不整),C(color:色むら),D(diameter:直径7mm以上),E(ele-vation:隆起).

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 Q1 接触皮膚炎の簡単な検査法を教えてくだ さい.

 A 簡易的な試験法としては,肘窩の同じ部位に1日2回,その物質を使用濃度で5日間連続塗布する.途中で反応が認められた場合はそこで塗布を終了する.塗布中または塗布後1週間は,掻痒,紅斑,浮腫,丘疹が出現しないかを観察してもらう.とくに化粧品などの場合に有用である.

プライマリ・ケア医のための「みみ・はな・のど」・13

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 プライマリ・ケアの臨床現場では,上気道炎の患者が多いため,耳の痛みの訴えをしばしば経験する.そうしたケースでは,耳鏡で観察することにより大部分は急性中耳炎や急性外耳炎と診断でき,非ステロイド系抗炎症薬(NSAIDs)や抗生物質の投与を行い,ケースにより耳鼻咽喉科への紹介が行われていると考えられる.

 しかし,上気道炎で来院した患者が耳の痛みを訴えず,少量の耳漏のみを訴える場合は,耳鼻科医でない医師はその症状にあまり注目しない傾向があると筆者(藤村)には思われる.一般に耳漏というと,急性中耳炎の増悪時に中耳に膿汁が溜まり,鼓膜を破り排膿されることが多く,その場合,患者は激痛を感じる.しかし,慢性中耳炎による耳漏は痛みを伴わないことが多く,患者によっては,医療機関を受診することさえせず放置していることもある.本稿では慢性中耳炎について解説を加える.

"なぜ診断できないか"を科学する・12(最終回)

既に広がった癌 江村 正
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 癌を大病院の総合診療部で診る場合は,次の2つのパターンが多い.1つは,難治性の腰痛,リンパ節腫脹,胸水,腹水などで来院もしくは紹介され,最初から癌が疑われて検索し,進行癌が見つかるパターンである.病的骨折で紹介されることもある(最近の症例は,肝臓癌による腫瘤形成性の骨転移であった).悪性黒色腫がリンパ節腫脹で見つかったり,上肢の静脈血栓症で甲状腺癌が見つかったりしたこともある.転移巣の症状が先に出現しているわけで,それらのほとんどはstage IVである.前立腺癌など化学療法が奏効するものであればよいが,原発巣を見つけても治療に結び付けられない場合も少なくない.もう1つのパターンは,入院時には癌を疑っておらず,診断がついていなかったが,その後の検索で,癌が既にあらゆる場所に転移した末期の症状と判明する場合である.

 印象に残っている症例を2例呈示する.頭痛から原因不明の水頭症を起こして脳外科に緊急入院となった60代の女性.脳室―腹腔シャントを行ったが,意識障害と発熱,炎症所見が続くということで転科となった.診断の決め手になるものが得られず,結核性髄膜炎として治療を行っていた.入院中に吐血があったため胃内視鏡を行ったところ,進行胃癌が見つかり,水頭症は癌性髄膜炎によるものと判明した.入院前に頭痛以外に悪心・食欲不振があり,近医で胃内視鏡が行われていたが,びらん性胃炎であったと報告を受けていたため,本院での消化管の検索が遅れてしまった.転科後2カ月で死亡された.

地域・家庭医療学実践記・12

在宅医療と介護保険 涌波 満
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 欧米でHouse Call, Home Careと称される在宅医療は,家庭医にとって忘れてはならない重要な分野です.ただ残念なことに,アメリカでは,家庭医が頻繁に往診をすることはなく,専門に研修した看護師がHome Careの業務の多くをこなしています.彼らの中には,"ナースプラクティショナー"という資格をもつ者がおり,診察して患者の容態を主治医に報告し,自ら処方すらできるのです.そういうわけで,在宅医療における看護師の位置づけは大きく,私のトレーニングでも,あまり重要視されていない領域でした.クリニックから,生後1カ月の児と母親の退院後の様子を診に行ったということぐらいしか記憶にありません.

 ご承知のとおり,日本の医療保険制度における往診や訪問診療は充分すぎるくらい評価されており,在宅総合診療料,在宅療養指導管理料(在宅での検査,投薬,療養における指導を一括して評価するもの),24時間連携加算といった高い報酬が認められています.そのため,なかにはビルの一角にこぢんまりと診察室を構え,もっぱら在宅医療のみを専属で行う医師もみられるほど,この分野には熱い視線が注がれています.

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◆ポイント◆

1)家族指向のケアの5段階を理解する.

2)個人を通した家族指向的アプローチと偶然同席した家族に対するアプローチの違いを認識する.

3)家族システム理論を活用した仮説の立て方を理解する.

4)家族全体のライフサイクルをとらえる.

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◆本症例の問題点◆

 1.比較的状態の良い今の時期をどこで過ごせるようにするべきか.

 2.無差額部屋の扱いはどうすべきか.

JIM臨床画像コレクション

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 症例は生来健康な63歳の男性.約1週間前より下腹部鈍痛と全身倦怠感が出現し,増悪するため当院外来を受診した.来院時,意識清明,血圧110/62mmHg,体温38.5℃,脈拍83回/分,呼吸数30回/分,胸腹部に異常所見を認めず,肋骨脊柱角の叩打痛や,直腸指診で圧痛はない.血液検査では,WBC 16.700/μl,CRP 36.3 mg/dl,Glu629mg/dl,BUN 53.8 mg/dl,Cr 2,65 mg/dl,HbAic 12.6%と代謝性アシドーシスを,尿検査で尿蛋白,尿糖,ケトン体を認め,糖尿病を基礎疾患にした感染症を強く疑い,広域抗菌薬の投与を開始した.

 胸・腹部X線写真,腹部エコーで感染巣は不明であったが,腹腔内膿瘍などを疑い腹部造影CTを施行したところ,右腎実質と腎周囲腔に滲出性変化を疑わせる低吸収域を,その周囲に線状のガス像を認めた(表紙写真・上).気腫性腎盂腎炎と診断し,泌尿器科にて緊急手術となり,右腎実質の高度な融解のため腎摘出術が施行された.術後,エンドトキシン吸着を行い,腎機能は正常化し軽快退院した.なお,血液・尿培養から大腸菌が検出され起因菌と考えられた.

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基本情報

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JIM
12巻12号 (2002年12月)
電子版ISSN:1882-1197 印刷版ISSN:0917-138X 医学書院

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