地域・家庭医療学実践記・12
在宅医療と介護保険
涌波 満
1
1ファミリークリニックきたなかぐすく
pp.1160
発行日 2002年12月15日
Published Date 2002/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414903689
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欧米でHouse Call, Home Careと称される在宅医療は,家庭医にとって忘れてはならない重要な分野です.ただ残念なことに,アメリカでは,家庭医が頻繁に往診をすることはなく,専門に研修した看護師がHome Careの業務の多くをこなしています.彼らの中には,"ナースプラクティショナー"という資格をもつ者がおり,診察して患者の容態を主治医に報告し,自ら処方すらできるのです.そういうわけで,在宅医療における看護師の位置づけは大きく,私のトレーニングでも,あまり重要視されていない領域でした.クリニックから,生後1カ月の児と母親の退院後の様子を診に行ったということぐらいしか記憶にありません.
ご承知のとおり,日本の医療保険制度における往診や訪問診療は充分すぎるくらい評価されており,在宅総合診療料,在宅療養指導管理料(在宅での検査,投薬,療養における指導を一括して評価するもの),24時間連携加算といった高い報酬が認められています.そのため,なかにはビルの一角にこぢんまりと診察室を構え,もっぱら在宅医療のみを専属で行う医師もみられるほど,この分野には熱い視線が注がれています.
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