特集 病院総合医 免許皆伝
総論
大規模市中病院における病院総合医―求められる臨床能力と役割
鈴木 將玄
1
1筑波メディカルセンター病院総合診療科
キーワード:
hospitalist
,
病院総合医
,
家庭医
,
多様なニーズ
Keyword:
hospitalist
,
病院総合医
,
家庭医
,
多様なニーズ
pp.634-637
発行日 2011年8月15日
Published Date 2011/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414102253
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“Hospitalist”という言葉は1996年にアメリカで初めて用いられ1),アメリカ病院医学会では,「専門職としての主たる役割を入院患者の包括的な医学的ケアとする医師であり,その職務には患者ケア,教育,研究,または運営が含まれる」と定義している2).しかし,わが国における“病院総合医(J1)”は,アメリカのhospitalistほど入院診療に特化しているとはいえず,外来診療や救急外来などの現場でも活躍していることが多いと思われる.この点がアメリカのhospitalistとの最大の違いであろう.
また,わが国の病院総合医の多くは,総合診療科あるいはそれに類する診療科名で活動していると思われるが,「総合診療科」という診療科自体,その所属する施設により活動形態はさまざまであるのが実状と思われる.よって本稿では,筆者が所属する409床の中規模市中病院である筑波メディカルセンター病院の総合診療科を念頭において,中~大規模市中病院における病院総合医に求められる臨床能力と役割について,家庭医との違い,小規模病院との違いを考えながら述べることとする.
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