はじめに
「まれな食道疾患の鑑別診断」が本誌の特集に取り上げられた.長年食道学に従事している者として,大変喜ばしく思っている.本特集が,臨床の場で珍しい病変に遭遇したときに“そういえば「胃と腸」にまれな食道疾患の特集があったな”と本棚から引き出していただけるものとなれば幸いである.
“まれな食道疾患”について,本誌で取り上げられたのは第43巻第3号(2008年3月)の特集「まれな食道良性腫瘍および腫瘍様病変」1)である.第52回日本食道疾患研究会当番世話人の小泉博義による「食道疾患レアケース・アトラス」2)や,「胃と腸アトラスI上部消化管第1版,第2版」3)4)にもまれな食道疾患が収載されている.本誌第50巻第2号(2015年2月)の特集「食道のびらん・潰瘍性病変」5),あるいは「消化器内視鏡」第26巻第10号(2014年10月)6)も参考となる.