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編集後記
八尾 隆史
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1順天堂大学大学院医学研究科人体病理病態学
pp.269
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200565
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日常の診療において遭遇した病変を鑑別していく際には,それらのすべての特徴を熟知しておくのが理想的であるが,まれな疾患に関しては各人が直接経験する数は特に少ないため,教科書や文献などで学んだ知識を生かして対応していくしかない.
実際の鑑別診断のプロセスとしては,発見された病変のそれぞれの形態別に部位や頻度に加え,患者の年齢・性,基礎疾患など臨床的背景を考慮しながら鑑別すべき疾患を想定して,内視鏡による細かい形態や表面構造などの観察,そして鑑別診断に有用となる種々の検査の施行,さらには生検による病理組織診断を総合して行うことになる.これまで「胃と腸」誌において,ほとんどの食道疾患はなんらかの形で掲載されてきたが,このような日常の診断プロセスに基づいて編集した特集号はなかったと思われる.
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