Japanese
English
今月の主題 まれな食道疾患の鑑別診断
症例 ─隆起を主体とする非上皮性病変の特徴と鑑別─食道MALTリンパ腫
Esophageal MALT Lymphoma.
高橋 亜紀子
1
,
小山 恒男
1
Akiko Takahashi
1
,
Tsuneo Oyama
1
1佐久総合病院佐久医療センター内視鏡内科
1Department of Endoscopy, Saku Central Hospital Advanced Care Center, Saku, Japan
キーワード:
MALTリンパ腫
,
巨木様隆起
Keyword:
MALTリンパ腫
,
巨木様隆起
pp.194-196
発行日 2016年2月25日
Published Date 2016/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403200546
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
症例の特徴
60歳代,男性.嚥下時のつかえ感を自覚したため,EGD(esophagogastroduodenoscopy)を施行したところ,上部食道に,表面平滑な隆起性病変を長軸方向に数条認め,巨木様隆起を呈していた.下部食道に進むにつれ,さらに内腔を占居していたが,スコープは通過可能であった.反転観察像にて,病変は噴門部にまで進展していた.ヨード染色にて隆起部は染まっており,表層は非腫瘍で覆われていた.超音波内視鏡検査(endoscopic ultrasonography ; EUS)にて,高エコーと低エコーが混在した腫瘤を2/5〜3/5層に認めた.ボーリング生検にて,小型〜中型で核異型の乏しいリンパ球類似細胞の集簇を認めた.免疫組織化学染色像では,CD3陰性,CD5陰性,CD20陽性,Bcl-2陽性,cyclin D1陰性,Ki-67 label index 16%であり,MALT(mucosa-associated lymphoid tissue)リンパ腫と診断した1).
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.