胃と腸 48巻10号 (2013年9月)

今月の主題 小腸の悪性腫瘍

序説

小腸内視鏡の時代的変遷 赤松 泰次
  • 文献概要を表示

はじめに

 小腸は十二指腸や回腸終末部を除いてスコープの挿入が困難であったことから,小腸疾患の診断は従来,X線造影検査を中心に行われてきた.しかし近年,カプセル内視鏡(capsule endoscopy ; CE)やバルーン内視鏡(balloon enteroscopy ; BE)の開発と普及によって比較的早期の悪性腫瘍が発見されるようになり,さまざまな病態の解明やいろいろな治療にも応用されている.

 本稿では,小腸内視鏡の時代的変遷(Table 1)1)と今後の展望について述べる.

  • 文献概要を表示

要旨 原発性小腸癌19例に対し,臨床病理学的検討を行った.男性11例,女性8例,平均年齢60歳,主訴は通過障害が74%を占め,発症から手術まで平均4か月を要していた.血清CA19-9の上昇が18%にみられた.小腸癌の80%は,Treitz靱帯から30cm以内またはBauhin弁から10cm以内に存在していた.腫瘍の肉眼型では潰瘍限局型(55%)が,組織型では分化型管状腺癌(76%)が多かった.全例,腺腫成分は併存していなかった.癌は全例が漿膜下層以深に達し,リンパ節転移を63%に認めた.粘液組織化学染色ではsialomucinを74%に認めた.免疫組織化学染色ではMUC1陽性例が71%にみられ,陽性群の年齢が陰性群より有意に高くなっていた.MUC2陽性例は41%で,MUC1とは逆に陽性群の年齢が陰性群より有意に低くなっていた.死亡例5例中,他病死した1例を除く死因は癌性腹膜炎であった.

  • 文献概要を表示

要旨 回腸多発性カルチノイド腫瘍2例を病理学的に検討した.〔症例1〕は20個(肉眼的カルチノイド腫瘍14個と組織学的カルチノイド腫瘍6個,最深達度SS,最大腫瘍径10.0mm),〔症例2〕は6個(肉眼的カルチノイド腫瘍5個と組織学的カルチノイド腫瘍1個,最深達度SS,最大腫瘍径18.0mm)の多発性カルチノイド腫瘍(2010年WHO分類 : NET G1)であった.両例ともリンパ節に転移していた.肉眼的カルチノイド腫瘍は,粘膜下腫瘍様隆起,黄色調の腫瘍組織,頂部粘膜の黄色調微細顆粒状変化,粘膜模様の不明瞭化,びらん,潰瘍で指摘された.腫瘍胞巣は大結節状胞巣主体であった.リンパ節転移巣とその原発巣とみなされる大型(径10.0mm以上)・深達(固有筋層以深)カルチノイド腫瘍には,細胞異型の増加(核の大型化や大小不同・多形性・核密度の増加),核分裂像の出現,Ki-67指数の増加,リンパ管・静脈侵襲などの悪性度の増加を示唆する所見がみられた.腫瘍は銀親和性serotonin産生カルチノイド腫瘍であった.CDX2発現がみられたが,p53蛋白過剰発現,粘液形質マーカーはみられなかった.SSTR2A発現は〔症例1〕で陰性,〔症例2〕で陽性であった.p-mTOR発現は両例で陽性であった.本邦の論文報告の回腸多発性カルチノイド腫瘍11例を集計した.

  • 文献概要を表示

要旨 消化管において最も発生頻度の高い間葉系腫瘍は消化管間質腫瘍(gastrointestinal stromal tumor ; GIST)で,これは小腸に限定しても同様であるが,炎症性線維性ポリープ,炎症性筋線維芽細胞腫,腹膜,腸間膜に発生する孤立性線維性腫瘍,平滑筋肉腫,デスモイド腫瘍などの浸潤と正確に鑑別することが重要である.胃に発生するGISTと同様,正確な病理診断は術後のフォロー,治療に必須であり,診断名だけでなく正確な悪性度の評価が必要である.現在,複数の悪性度分類が存在するが,どの分類を用いて診断しているのか臨床医と確認しておくことが重要である.また,小腸にはまれに症候性の多発性GISTが発生するが,腹膜播種,転移と誤診してはならない.小腸GISTの診断には適切な免疫染色,悪性度の評価だけでなく,患者の背景を考慮した亜型診断が求められる.

  • 文献概要を表示

要旨 小腸悪性リンパ腫は,全消化管悪性リンパ腫のうち20~30%を占め,小腸悪性腫瘍の中では癌およびGISTと並んで頻度の高い腫瘍の1つである.今回,筆者らは小腸悪性リンパ腫の外科的切除標本43例を用いて,肉眼形態と組織型の傾向について検討した.平均年齢63.2歳で男性30例,女性13例と男性に多かった.また,回腸末端発生の10例を含む回腸発生例が36例(84%)と,空腸発生7例(16%)に比べて有意に多かった.肉眼形態は,潰瘍型が35例(81%)と最も多かった.組織型別にみると,びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫(DLBCL)が24例(56%)と最も多く,うち22例が潰瘍型であった.43例中38例(88%)が壁全層あるいは隣接する他臓器へ浸潤しており,壁構造を破壊しながら増殖するリンパ腫細胞により,潰瘍あるいは隆起を形成すると考えられた.ほとんどの組織型で粘膜深層から増殖する粘膜内のリンパ腫細胞を認め,EATLのように粘膜固有層全層に増殖浸潤し,側方にびまん性に拡がる組織型もあった.このように小腸悪性リンパ腫は,組織型あるいはその組織学的悪性度によりさまざまな肉眼形態を示すと考えられた.

  • 文献概要を表示

要旨 原発性小腸癌は,まれな疾患で,その発生頻度は全消化管癌の0.6~3.2%とされている.男女比では約2 : 1と男性に多く,好発年齢は50~60歳代である.発生部位は,空腸ではTreitz靱帯から50cm以内の近位空腸に,回腸では回盲弁より50cm以内の遠位回腸に多く認める.肉眼型は,進行癌では隆起型と潰瘍型に大別され,潰瘍型はさらに非狭窄型,管外発育型,輪状狭窄型に細分類され,短い狭窄が特徴の輪状狭窄型が最も多いとされている.小腸癌はその局在性から早期発見が困難であるが,近年ではダブルバルーン小腸内視鏡やカプセル内視鏡により以前より早期発見が可能となってきており,今後のさらなる展開が期待される.

  • 文献概要を表示

要旨 小腸カルチノイド腫瘍は,本邦では比較的頻度の低い疾患である.従来,小腸カルチノイド腫瘍の多くは進行した状態で発見されていたが,カプセル内視鏡検査やバルーン内視鏡検査などの小腸内視鏡検査法の普及とともに,最近では早期に発見される症例が増えている.小腸カルチノイド腫瘍の内視鏡的特徴は,色調が黄白色調で表面平滑な粘膜下腫瘍様隆起であるが,他の小腸粘膜下腫瘍との鑑別が困難なことも多いため,各種画像検査所見などにより総合的に判断する必要がある.治療の原則はリンパ節郭清を伴う外科的切除である.転移や異時性多発性病変の早期発見のためには,腹部CT検査や小腸内視鏡検査による術後の定期的なサーベイランスが必要である.

  • 文献概要を表示

要旨 小腸GISTの臨床病理学的特徴について,胃GISTとの比較を中心に述べた.小腸GISTは胃GISTと比較して,腫瘍径が大きく,術前生検採取が難しい.組織所見としては紡錘形が多く,遺伝子については,c-kit exon 9変異の頻度が高く,c-kit exon 11変異の頻度は低いという特徴がみられた.また,NF1の患者に合併しやすく,術後再発率が高く,予後不良であった.小腸GISTを術前に確定診断することは困難なことが多いため,CT,小腸内視鏡,小腸X線造影などの精査で小腸GISTの可能性が疑われたときは,安易に経過観察せずに外科治療を選択することが重要である.

  • 文献概要を表示

要旨 空・回腸悪性リンパ腫168例〔MALTリンパ腫20例,濾胞性リンパ腫40例,マントル細胞リンパ腫5例,DLBCL(diffuse large B-cell lymphoma)69例,Burkittリンパ腫7例,リンパ芽球性リンパ腫2例,NK/T細胞リンパ腫25例〕の臨床病理学的特徴を遡及的に解析した.DLBCL・MALTリンパ腫は回腸,濾胞性リンパ腫は空腸に好発し,NK/T細胞リンパ腫やマントル細胞リンパ腫は小腸の広範囲に病変を来す傾向がみられた.肉眼型は,隆起型39例,潰瘍型60例,MLP(multiple lymphomatous polyposis)型38例,びまん型14例,混合型17例であり,潰瘍型・隆起型はDLBCL,MLP型は濾胞性リンパ腫,びまん型はNK/T細胞リンパ腫で多くみられた.診断5年後のoverall survivalおよびprogression-free survivalは59%および50%であり,免疫表現型,組織型(非indolent),治癒切除の有無が両者に共通した予後規定因子であった.空・回腸リンパ腫の診断には,各組織型に特徴的な肉眼所見を理解して,適切な画像検査を行うことが重要である.

  • 文献概要を表示

要旨 小腸原発悪性腫瘍の15~20%がリンパ腫であり,非ホジキンリンパ腫(NHL)の30%を占める胃腸原発リンパ腫の中で,9~30%が小腸原発NHLである.小腸原発NHLで最も頻度の高いびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)の治療方針は,初発限局期には病変部位の外科的切除後にR-CHOP療法6コース,初発進行期にはR-CHOP療法6~8コース,救援化学療法に奏効した65歳以下再発例には自家造血幹細胞移植併用の大量化学療法が標準的治療法である.十二指腸原発濾胞性リンパ腫は限局期症例が多く,緩徐な経過を示すため,リツキシマブ単剤治療や注意深い経過観察(watch & wait)も考慮すべき治療オプションである.小腸原発T細胞リンパ腫の予後はDLBCLと比べて不良であり,分子標的薬など新たな治療戦略の開発が望まれる.

  • 文献概要を表示

要旨 小腸には胃,膵臓,大腸,肺などから腫瘍が転移することがあり,小腸以外に原発を持つ小腸腫瘍を転移性小腸腫瘍と言う.症状としては,狭窄による嘔気,腹部膨満感,腹痛や貧血・体重減少などがあるが,大半が無症状であるために術前診断は難しく,剖検で発見されることが多い.転移の経路としては,(1) 脈管性転移,(2) 腹膜播種,(3) 腸管内転移が知られている.画像診断には,小腸X線造影検査,CT・MRI,超音波検査が用いられる.近年開発されたバルーン内視鏡(DBE,SBE)により病理診断も可能になり,画像所見と病理学的所見を併せて転移性小腸腫瘍と原発性小腸癌の鑑別を行う.本稿では,両者の診断および治療の違いを中心に述べる.

  • 文献概要を表示

要旨 家族性大腸腺腫症(familial adenomatous polyposis ; FAP)およびLynch症候群は,共に常染色体優性遺伝の疾患であるが,その臨床像は大きく異なる.FAPのうち,特に密生型は大腸全体にポリープが無数に多発し,標準治療として大腸全摘術が推奨され,大腸外病変として十二指腸癌,胃癌,デスモイドの発生率が高い.しかし,適切な外科手術および内視鏡によるサーベイランスにより長期生存が可能となってきた.一方,Lynch症候群は,内視鏡所見や手術所見からのみでは同定が難しく,マイクロサテライト不安定検査がスクリーニング方法として保険収載されているが,普及は十分ではない.両疾患共に小腸病変に関する本邦からのエビデンスは少なく,今後の症例集積が急がれる.

  • 文献概要を表示

 〔患 者〕 67歳,女性.

 〔主 訴〕 特になし,胃粘膜下腫瘍の精査目的.

 〔既往歴〕 37歳,子宮筋腫.

 〔家族歴〕 父,胃癌.

 〔生活歴〕 特記事項なし.

 〔現病歴〕 2008年6月に上部消化管内視鏡検査を希望され,当科を受診した.胃前庭部大彎に立ち上がり急峻な粘膜下腫瘍を認め,粘膜表面からの生検ではびらん性変化のみであった.粘膜下腫瘍の治療目的に内視鏡的粘膜下層剝離術(endoscopic submucosal dissection ; ESD)を行うため,入院となった.

  • 文献概要を表示

要旨 患者は50歳代,女性.近医で施行された上部消化管内視鏡検査(EGD)で胃に病変を認め,当院へ紹介受診となった.EGDで前庭部大彎に30mm大のひだ集中を伴う褪色調陥凹性病変を認め,生検では低分化腺癌を伴う中分化管状腺癌であった.また胃体上部大彎,胃体下部大彎に黄白色調の陥凹性病変を認め,生検では類上皮様細胞を伴う肉芽腫の形成を認めた.領域リンパ節の腫大を認めたが,明らかな遠隔転移はなく,幽門側胃切除+D2廓清術が施行された.病理結果はpType 0-IIc,37×29mm,tub2>por2>sig,pT1b(SM2 ; 1,500μm),ly1,v0,INFb,int,pPM0,pDM0,pStage IAであり,領域リンパ節に転移所見は認めなかったが,胃粘膜と領域リンパ節にサルコイド肉芽腫を認めた.

Coffee Break

見る 9.他人の顔 長廻 紘
  • 文献概要を表示

 見なければならないのは外見ではなく内面.わたしとは誰か,なにものであるか.最も見えにくいのは自分自身.火は火を焼くことが,水は水を洗うことができない.そのように目は目を見ることができない.すなわち,目で見るということの根本には,自分を見ない,見ることができないということがある.見ようとすればするほど逃げ水のように見えなくなる.「道眼被眼礙」.真実を見る目が眼球に妨げられている.鏡に映った姿と,真実は関係ない.自己は鏡に映ったものでないとすれば,どうやって自己を見ることができるか.「いかにして人は自己を知りうるか.観察によってでは決してない.行為によってだ.汝の義務を果たすようにつとめよ.そうすれば汝がなにものかがたちどころに顕らかとなろう(ゲーテ)」.

 われわれは常に自己とは何かと自問自答しながら生きている.問いや疑問が起こらないような人がいるとも思えないが,答えの出しようがないので年を重ねるに連れ,いつの間にか忘れてしまっている.それでもなにかの拍子に,挫折を味わったとき,病の床にあるときなどに,顔を出す.自己とは何かという問が生じることもなく,答えを持たないまま彼岸へ行くのは淋しいことである.答在問処.問いのない人生は,そもそも存在しないのと同じ.自己とはなにかと問い,それに答える.その答えからまた問いが生まれる.問いを出し,それに答えるキャッチボールによって人は前へゆく.問題は如何なる問いを出しうるか.根源的とも言うべき自問自答が生まれるのは,本当に生きた人の特権である.

消化管組織病理入門講座・5

  • 文献概要を表示

はじめに

 食道腫瘍性病変の診断においては,腫瘍・非腫瘍の判別と,その異型度からどのような診断名をつけるかが問題となる.その判定は細胞異型や構造異型でなされるが,病理医間でも腫瘍か非腫瘍かの判別が分かれる病変もみられる.

 本稿では,診断に難渋する症例ではなく,食道の腫瘍性病変の典型像と,鑑別すべき非腫瘍性病変の組織像を提示し,基本的事項について解説したい.

  • 文献概要を表示

 本症例の病理所見((11)~(13))では,「切除標本 (11) は大彎ひだの所見を連続性に評価するために小彎で切開した.原発巣は胃体中部前壁にみられる小潰瘍で,大きさは7mmであった.」と記載されているが,原発巣は胃体中部前壁でなく,後壁の間違いである.どうして間違えたのかは切除標本の小彎切開に原因が求められよう.

 次に,切除標本 (11) について,黄色い点線で示されているCaと黒点のSSを除いた写真とともに,小潰瘍の拡大像も提示すべきである.黄色い点線のCaの範囲の粘膜像と正常粘膜像との境界が全く理解できない.本症例では,「切除標本 (11) は大彎ひだの所見を連続性に評価するために小彎で切開した.」と述べているが,全摘胃を小彎で切開して伸展すると,大彎側の筋層を伸展しても,粘膜層は弛んでしまい,粘膜下層以下の癌浸潤による粘膜層の変化が理解しにくくなる.本症例の粘膜下層への広範な浸潤範囲は,胃X線検査ならびに内視鏡検査で,さらに術前の外科側で理解しえたであろうか? LP(linitis plastica)型胃癌であったから,胃全摘でよいと考えていたのであろう.なお,全摘標本の小彎切開を指定したのは,検査側なのか,外科側なのかを知りたい.

早期胃癌研究会

2013年4月の例会から 鶴田 修 , 中村 真一
  • 文献概要を表示

 2013年4月の早期胃癌研究会は2013年4月17日(水)に東京商工会議所4F東商ホールで開催された.司会は鶴田修(久留米大学医学部消化器病センター内視鏡診療部門)と中村真一(東京女子医科大学消化器内視鏡科)が担当した.また,画像診断教育レクチャーは八木一芳(新潟県立吉田病院内科)が「胃潰瘍性病変の診断と鑑別─NBI拡大内視鏡診断を含む」と題して行った.

--------------------

欧文目次

「今月の症例」症例募集
  • 文献概要を表示

 「今月の症例」欄はX線,内視鏡写真など形態学的所見が読めるようにきちんと撮影されている症例の掲載を目的としています.珍しい症例はもちろん,ありふれた疾患でも結構ですから,見ただけで日常診療の糧となるような症例をご投稿ください.

  • 文献概要を表示

 本書の特徴は,単純X線写真の所見を記し,その所見を得るために必要な解剖や疾患の知識が簡潔にまとめられていることである.最初にCR画像の基礎知識,次に領域別の各論(頭部・頭頸部,胸部,腹部,骨軟部組織)を掲載し,単純X線写真が最も威力を発する胸部と骨軟部組織領域に多くのページを割いている.各項目はコンパクトにまとまっているが,最新の疾患概念にも言及し,さらに,単純X線写真の横に答えとなるCTやMRI画像を掲載した理解しやすい本である.研修医必携の一冊であるとともに,放射線診断,内科,外科のスタッフも,楽しく知識を確認することができ,日常の臨床に役立つ良書である.大先輩の先生方により執筆された「ビューワー」(フィルムレス時代に合わせて「しゃーかすてん」から変更になったとの記述あり)と名付けられた10編のコラムは,画像診断のうんちくや読影力向上の極意が含まれ,読んで楽しく,大変ためになる.

 本書の編集者である黒㟢喜久先生は,頭頸部領域や超音波診断の第一人者であり,多くの著書や論文を執筆されている.しかし,私は,黒㟢先生はそのような分野にとどまらず,あらゆる領域の画像診断に造詣が深い,general radiologistの代表選手だと思っている.黒㟢先生は,私に画像診断の楽しさと奥の深さを教えてくださり,画像診断の「いろは」をたたき込んでくださった恩師である.私が研修医であったころ,黒㟢先生から読破するように勧められた本は,『Paul and Juhl's Essentials of Radiologic Imaging』であった.本書『単純X線写真の読み方・使い方』を読み終えたとき,Paul and Juhlを思い出した.本書は,名著Paul and Juhlをコンパクトにし,さらに最新の疾患概念を付け加えた本であるといえるのではないだろうか.

早期胃癌研究会 症例募集
  • 文献概要を表示

早期胃癌研究会では検討症例を募集しています.

画像のきれいな症例で,

・比較的まれな症例,鑑別が困難な症例.

・典型例だが読影の勉強になる症例.

・診断がよくわからない症例.

学会・研究会ご案内

投稿規定

編集後記 鶴田 修
  • 文献概要を表示

 以前,小腸病変の内視鏡観察は至難の業であったが,バルーン内視鏡(BE)やカプセル内視鏡(CE)の登場以来,その内視鏡観察は比較的容易になってきた.さらに,今まで指摘されることのなかった病変が発見されるようになり,悪性腫瘍においても比較的小さな早期の病変の報告が相次いでいる.また,小腸の悪性腫瘍に対する治療法も外科的治療から分子標的治療を含む化学療法まで多種多様となった.本特集は小腸の定義を十二指腸は除いた空腸と回腸として,原発性上皮性悪性腫瘍(癌腫),カルチノイド腫瘍,GIST,悪性リンパ腫,転移性腫瘍について,各々の臨床病理学的特徴および診断・治療について整理することにより,その進歩を明らかにすることを目的として企画された.

 序説では赤松が小腸内視鏡検査の過去・現在・未来について解説している.

次号予告

基本情報

05362180.48.10.jpg
胃と腸
48巻10号 (2013年9月)
電子版ISSN:1882-1219 印刷版ISSN:0536-2180 医学書院

文献閲覧数ランキング(
9月9日~9月15日
)