Letter to the Editor
「画像診断道場:胃体部大彎の皺襞異常を伴う小潰瘍病変」(尾割道代,他.47巻13号2032-2035, 2012)に対して
高木 國夫
1
,
尾割 道代
2
,
中島 寛隆
2
,
長浜 隆司
2
1仁圭会 林外科病院
2公益財団法人早期胃癌検診協会
pp.1513-1516
発行日 2013年9月25日
Published Date 2013/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1403113954
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本症例の病理所見((11)~(13))では,「切除標本 (11) は大彎ひだの所見を連続性に評価するために小彎で切開した.原発巣は胃体中部前壁にみられる小潰瘍で,大きさは7mmであった.」と記載されているが,原発巣は胃体中部前壁でなく,後壁の間違いである.どうして間違えたのかは切除標本の小彎切開に原因が求められよう.
次に,切除標本 (11) について,黄色い点線で示されているCaと黒点のSSを除いた写真とともに,小潰瘍の拡大像も提示すべきである.黄色い点線のCaの範囲の粘膜像と正常粘膜像との境界が全く理解できない.本症例では,「切除標本 (11) は大彎ひだの所見を連続性に評価するために小彎で切開した.」と述べているが,全摘胃を小彎で切開して伸展すると,大彎側の筋層を伸展しても,粘膜層は弛んでしまい,粘膜下層以下の癌浸潤による粘膜層の変化が理解しにくくなる.本症例の粘膜下層への広範な浸潤範囲は,胃X線検査ならびに内視鏡検査で,さらに術前の外科側で理解しえたであろうか? LP(linitis plastica)型胃癌であったから,胃全摘でよいと考えていたのであろう.なお,全摘標本の小彎切開を指定したのは,検査側なのか,外科側なのかを知りたい.
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