保健婦雑誌 26巻1号 (1970年1月)

特集 乳幼児用品総合診断

おむつとおむつカバー

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上左 木棉変わり織りおむつ。右は,正方形のおむつ。中は,長方形おむつ。下左は,紙おむつ。下右は,おむつの中当で,肌に直接当たり,水分を通すため,冷めたくない。

話し合い
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おむつ

 樋口 私はおむつはその家庭の生活環境に合わせて,これじゃなければならないとかなんとかじゃなくて,生活環境に合ったものを選べばいいんじゃないかと思います。ただおむつ自身が,一番初め赤ちゃんのはだにさわりますので,もちろんやわらかくて赤ちゃんのはだに刺激が少ないほうが理想的なんですけれども,100%木綿であれば,最近は洗たく後にソフトに仕上げるのがございますね。あんなものを使えば,あと,わりとやわらかく手入れができますから,木綿であれば形とか色とか素材とかは何でもいいんじゃないかと思います。

 本誌 長方形であろうと正方形であろうとかまわないわけですか。

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上は,パンツ型おむつカバー。マジックテープとボタンで止める。中当てはウール100%。下写真左は,フランス製ビニール100%。ビニールは,湿度の高い日本の風土に適さない。下中と右は,中当てがビニールのおむつカバー。おむつカバーの止めはひもでない方がよい。求めるさいには,赤ちゃんのももの太さを計っておくとよい。

話し合い
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おむつカバー

 本誌 新生児期はできれば100%のウールが良いといわれておりますが,もう少し月齢が高くなりますといろいろな種類が出ていますね。繊維の材質も全然違いますし,それから中当てというのはビニールでできていたり2枚合わさっていたり,フリーサイズパンツ型といったゴムがついていて足が前に出る形とか。前が開かないものが出ているんですけれども,ああいうようなのはどんなんでしょうか。

 樋口 私はパンツ型のはあまりはかせなかったんです。やはりサイズがかなり大きくできているものですから,かなりだぶだぶになる。それでやはり前で調節するほうがさせやすかったのと,中におむつを入れてそれでこのままとめるほうが始末がしやすかった。それでこの型,ちょうど足の根元のところなものですから,おなかのちょうど下におさまって,おなかのところがぬれないで,これはとっても重宝していたんです。

衣類

肌着 ベビードレス
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 上写真,下写真ともに,綿100%の肌着。新生児期は,ひもの方が便利である。縫い目が目立たず,肌にあたらないものがよい。半そで,丈は,できるだけ短かめで,おむつカバーがかくれる程度,市販のものは長すぎる。

 右頁はベビードレス。下右はネルのきもの。冬は,暖かいが,足が全部かくれるものは,あまり好ましくない。できるだけ活動しやすいよう,丈も長くなくてよい。こうしたベビードレスは,特になくてもさしつかえない。

オーバーオール・くつ くつした
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カバーオールともいう伸縮がきく化学せんい製で足まで入り,便利であるが,肌を全部おおってしまうのは,医学的に必ずしもよいとはいえない。手足を外気にあてる機会を作れば使用もよいが,終日着せたままでない方がよい。特に年齢が高くなったら,できるだけ早くやめた方がよい。

洋服
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歩きはじめ頃から3歳くらいまで。成長が早いので,ボタンの調節可能なものを選ぶとよい。材質は,綿系統,化学せんい,いずれでもよいが,縫い目のしっかりした,洗濯のよくきくもの,着やすいもの,運動の制限をしないものを選ぶ。

胴着 よだれかけ

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衣類

 樋口 これも肌にぴったりそうような薄手のオールコットンの半そでの肌着というのが一番いいと思うんです。ひもであってもボタンであってもたいして差はないと思うんですけれども,ただひもというのはわりと大きさを調節できますから便利だと思います。できるだけそでぐりの小さいのがいいですね。重ね着しまして抱いたときに着くずれしませんから。それから肌着のたけは長い必要は全然ない。おむつカバーの上に少しおおうぐらいで,おむつカバーの中に入ってしまわなければむしろ小さいもののほうがいいんじゃないかと思います。

 縫い方の点ではいまの肌着はたいへんいいですね。縫いしろをそれほどひびかないようになっていますし,それから日本では一応最高の綿を使っているようですし,弾力もありますし,ただこの綿メリヤスじゃなくてガーゼを使っているほうは……私はガーゼよりもこちらのメリヤスのほうをおすすめします。ガーゼはもちも悪いですし,それからだんだん動いている間に背中のほうにたるんでもきます。それから新生児の場合は腕がこういうふうにちょうどガーゼのそでの中に入ってしまうんですね。運動も妨げますので,できるだけぴっちりしたこじんまりしたものを。みんな縫い目が重ね縫いにしてありますけれども,そでのここにまちが入ったようになっているのがございますね。あれもいいですね。背中が1枚になっていて,わき縫いも何もない……。

哺乳用具 ベビーフード 食器

哺乳びん
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上写真左から,イーブンフロー 耐熱ガラス製。ナースマチック 耐熱ガラス製。ピジョン ガラス製。ピジョン プラスチック製哺乳びん。下写真は哺乳びん消毒用具の一式。

哺乳具 ベビーフード 食器

食器 離乳食用品
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食器類は,乳幼児用に工夫されている。絵などがないものの方が清潔である。また,離乳食用に,セットとして市販されているが,家庭にあるものでも代用できるので,とくに必要はない。プレゼント用として利用されている。下写真は,哺乳びんの保温セットだがとくに必要はない。

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哺乳瓶食器類

 本誌 哺乳びんはガラス製とプラスチック製とありますが。

 藤井 ガラスはあとで少しかすみがきてもわりときれいにとれますけれども,プラスチックだともうとれないんですね。ただ子供は感触的に,こういうことでプラスチックが出たんだとは聞いていたんですけれども。

ベビーフード
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離乳に対する,母親の精神的負担を軽くするためには,簡便であるが,頼りきるのはあまり好ましくないとされている。かんづめ,びんづめ,箱入りと,数多く市販されている。

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ベビーフード

 北 離乳食というのは,一番たいへんなことというふうにお母さま方は初めから考えていらっしゃるんじゃないかと思うんです。で,離乳というのはそうむずかしいものでもないし,ただミルクが混食に変わる過程の,半固型から固型に変わる過程なわけですから,少し早目から離乳を始めてそれから1年ぐらい,このごろでは,10カ月ぐらいで完了してしまいますけれどもね,長い時間でゆっくりと気楽になさればいいんじゃないか。その場合にやっぱり日本の場合のおかゆをつくるとか,すりばちですりえみたいにするということをたいへんに思っていらっしゃるんじゃないか。そういう意味ではこうしたベビーフードなども使い方によっては非常にお母さんの気持ちの負担を軽くする意味ではいいんじゃないかと思うんです。でもこれだけにたより切るお母さんというのがこのごろ多い。特に米がゆのもととか,あのでんぷんみたいなものだけお使いになってしまう。そうじゃなくて.やっぱりパンがゆとか,私はやっぱり自然の食から入っていって,この時期というのは量的な問題よりも,むしろいろんな味にならしていく,そしていろんなかたさを覚えさせていく,そういう時期だと思う。だからできるならば,ほんとうはこういうものはあまりお使いにならないほうがいい。

育児日用品

おまる
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左ページ,上は,スワンデラックス型おまる,右ページの右下が,空けたところ。左ページ下は,洋式おまる。こしをかけて使う。右ページ,上はスワン型右中が,空けたところ。左下はつぼ型便器で,こしをかける。

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おまる

 藤井 おまるは子供の機能的に合わせたものを,最初から選んでいくということになると思います。床上がり何センチであるかという問題でとらえているんです。安定性のあるものでないとただ表面だけがデラックスであって,実際に使う場になったら子供がぜんぜんそれに意思を示さないという問題があるから,むしろ集団の場ではスワン型は使わないんです。たとえば使うにしても保育所はスワンの頭をとっちゃうんですね。かえってこれがあるために,前へかがんできてズデーンと引っくり返るというと困るということで。コンビは最初おまるが最初に業種的に手がけなさったものですから。いろいろ意見提示やっていく中で,私ども逆にこれが平面であって,しかも子供たちに床上がり14cmからはじまるべきだということを,最初に提示したわけですね。それから1歳7ヵ月になって16cm,それから2歳前後になって18cmというのが,やはり子供が集団の中で大勢の子供を扱ってみて,やはり望ましいという線に達しましたから。その点で製造に入っていただきたいと申しあげたんですが,そうなると売れないということで,先ほどから問題になっていますけども。

 権平 売れないということは。

いす
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いすは,坐る部分が平らで,背は急斜していないものがよい。また,足に車がついているものは好ましくない。すべり止めのついているものがよい前頁上写真は,机も前後に移動ができ,いすとしてはもっとも好ましい。左は,トットトッター。

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いす

 権平 いすの条件は,子供が動いてもかなり安定がいいということでしょうね。強くなった年齢だと,ガタガタとやりますでしょう。そういうときに安定がいいということ。

 本誌 車は必要ないとおっしゃる方がありますね。

歩行器

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歩行器 藤井 家庭ではこんな大きなもの大変です。4畳半しかないのに1人で歩行器やっていたら。(笑)

 権平 歩けなくなっちゃったなんて。

ジョリージャンパー
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ジョリージャンパーは,天じょうからつるして使用する。子どもの足が下に届く程度の長さにする。胴をしめすぎぬよう,あまり長時間使用しないよう注意する。(10分程度)

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ジョリージャンパー

 本誌 ジョリージャンパーは,カナダ製でかなり最近は出回っていますが。

 権平 これはぶらさげるんですか,どういうふうにするんですか。

玩具

オルゴールとゴム製にぎるもの

自動車
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 室内自動車

左頁上は,ゴム製の人形,手でにぎると手ざわりがよく,また,バニラの香りがするので,好評である。下左,同じくゴム製4色箱型かさね。右はオルゴール。右頁上と中は金属製自動車。手で動き,また電池を入れても動く。下は木製自動車でくるまだけプラスチック製。形が単純丈夫なので乳幼児向き自動車によい。

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くるま(押す,引く)

 小坂 動くおもちゃは喜びますね。

 毛利 プラスチックのがんじょうなのがあるでしょう。あれは喜びますね。

親心
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上左は,木製の親心。古くからあり,押すとオルゴールがなる。音はかなりよくなっている。上右は,メロディーカー。プラスチック製で押すと,動物の頭が上下に動き,前のオルゴールがまわりながらなる。下は,トントントレーン。持つところが1本で,動かすと汽車のえんとつの部分のたまが上下に動く。両手で押すがバランスをとるのはむずかしい。

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親心

 藤井 親心にはいろいろありますが昔風の木製のが良いですね。新しいのはあまり感心しないですね。ねじっちゃったら手がすぐはずれちゃうんね。

 高口 実は孫に押し車を買いにいったんですよ。ヨチヨチ歩きだから。木製のがないんだな。それで結局新しいのを買ってきたんだけど。

楽器
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上 日本だいこ中 ドラム下 タンバリン

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楽器

 毛利 タイコはいいですな。診療室に置いてあって一番人気があるの。これは年齢が小学生まで。来るとタイコをダンダンやって,これはレパートリー広いですね。非常にあきない,いちばん持ちますね。

 本誌 いろいろなタイコがありますけどもどういうタイコが。

つみ木
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上写真は,木製つみき,色はぬっていない。下左はプラスチック製で色つき。右は木製で色つき。次頁のつみきは保育つみきである。

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つみ木

 権平 プラスチック製のものは実際に積むのには非常に積みにくいといいますかすべります。だから使い方が子供がいじったら喜ぶという低年層には意味があるでしょうけど,本当に何かを積みたいときは,私はあまりいいものじゃないと思うんですけど。

 高口 つみきというのはやっぱり木でね。

ブロックと組み木
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組み木の各種(ニチガン製ハンマーブロック)木製で組み木としては,推せん品といえよう。

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くみ木ブロック

 藤井 くみ木はいいですね。特にニチガンで出ているハンマーブロックは良い。

 小坂 ふつうの家には置いてないですね。みんな折れたりなんかして。

ぬいぐるみ
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上は,洗濯のきくぬいぐるみ。ぬいぐるみは,縫い目がしっかりしていて,下のようにあまり毛ばだっていないものの方がよい。布製でしかも重量感があって形は単純なものが好ましい。

ままごと ごっこ遊び
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ままごとは,できれば木製のものがよい。かなり高価なので,少しづつ買い足していくのもよい。 (上,中写真,学研提供)下は陶器製,ほかに,プラスチック製もある。長い期間遊べるので,長もちするものを選ぶ。ごっこ遊びは,3歳前後の子どもに喜こばれるが,左下のように,個々の野菜など,あまり形がはっきりしているものは,かえって子どもの創造性を防げるのであまりよくない。

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ままごと

 小坂 ままごとは,木製がいいんじゃないんですか。

 毛利 木製はよっぽどよくできていないとカビがはえてしまうんですね,黒カビが。

ねんど はさみ おりがみ
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保育用具として売り出されているねんどは,手にべとつかず,冬でもあまり固くならなくて,よい(写真提供学研)はさみも,3歳までには使えるようになる。幼児用に,危なくないはさみがあるので,手先の訓練によい(同学研)おりがみは,色がおちやすいのはよくない。色のおちないものを選ぶ。子どもが興味を示すようになってから与えてもおそくない。"かみ"そのものへの興味だったら,他の紙で代用できるので,あまり早くから与えても効果がない。

絵本
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左ページ,上は,破れない本として一時市販されていたもの。中はつみきえほん,やはり破れない。こうした絵本は,子どもにいろいろと見せて自由に選ばせるのがよい。はじめは,1ページに1つの絵が良い。できるだけ,身近かにあるもの,理解できるものにする。

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絵本

 権平 絵本は年齢で違いますよね,あまり盛りだくさんにしないほうがいいですね。日本の絵本というと,犬がいて,鳥がいて,ちょうちょが飛んでいる,そして花が咲いている。

 小坂 きまりきっていますね。

砂あそびとバケツ
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1歳をすぎると,子どもは,屋外を大変好むので,外で遊べる玩具は,一応あった方がよい。写真は幼児用として出されている砂あそびセットと,カラーバケツ。ふちがまるくなっていて危なくない。

三輪車
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三輪車は,3歳前後の幼児の必需品ともいえる。椅子のしつかりしたものペダルのあまり小さくないもの,車のがんじょうなものを選ぶ。付属品はあまりないほうがよい。

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三輪車

 藤井 乗用車は,足ぶみでプラスチックでいいのがありますね。危険でないのが。

 高口 ああ,そうですか。

基本情報

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保健婦雑誌
26巻1号 (1970年1月)
電子版ISSN:2185-4041 印刷版ISSN:0047-1844 医学書院

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