講座
捨てるものの中にある栄養
森川 規矩
1
1日本栄養士会
pp.6-9
発行日 1953年5月10日
Published Date 1953/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662200504
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栄養価を損失しない手段のためには,まず栄養価の損耗せられていない食品の選択から始められ,かつ安価であるという目標が大切である.ついで,ここに示す捨てるものの中にある栄養を心得えての,爼上における栄養成分の損失を防止することである.さらに,食品は調理加工による物理化学的影響による,火上での栄養成分の損失を考慮しなければならない.以上三つの段階を得て,栄養上完全な食事が成立し,この食事の食べ方による栄養上の損失も,これに加えて注意されねばならないのである.
これらの関連した学術的実際的な説明なしに,栄養食は成立しないので,この与えられた題日では不充分であるから,拙著,明解栄養便覽について系統だつた調理による栄養上の損失について参照せられたい.ここでは,捨てるものの中にある栄養の一部分を示しておくにすぎないことを了とせられたい.
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