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特集 26ケースで学ぶ臨床心理アセスメント――インテークとフィードバックをつなぐ〈スキル7〉
強固な〈自我〉の正体は?――ASD/パーソナリティ症
大島 郁葉
1
1千葉大学子どものこころの発達教育研究センター
pp.174-178
発行日 2025年8月30日
Published Date 2025/8/30
DOI https://doi.org/10.69291/cp25070174
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1 はじめに
神経発達症という概念が注目されはじめた頃,「パーソナリティ障害はいずれDSMなどの診断体系から消えていくのではないか」と囁かれた時期があった。これは,従来,神経発達症の特性を持ちながら成人して日常生活を送っている人に対して,「人格(パーソナリティ)の問題」として診断が下されてきた歴史に対する疑問の声でもあった。つまり,発達特性に起因する困難が人格の問題にすりかえられてきたことへの批判である。
しかし実際には,パーソナリティ障害の診断はなくならなかった。それは,成人期に神経発達症を抱える人が,人生のなかで多くの葛藤やストレスを経験し,感情面や認知面において発達特性だけでは説明のつかない反応を示すことがあるためである。実際,神経発達症の特性に加えて,環境との相互作用のなかで形成された行動パターンとして,パーソナリティ障害(症)の診断が検討されることがある。なお,DSM-5(American Psychiatric Association, 2013)の診断基準上では,神経発達症とパーソナリティ障害(症)は原則として併存しないとされているが,臨床の現場では柔軟に対応されている部分でもある。

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