インフォメーション 新しいナーシングケアのために
エリクソンの自我発達段階説
田中 一彦
1
1淑徳大学
pp.1103
発行日 1985年10月1日
Published Date 1985/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661921204
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概要
E. H. エリクソンは,人生を図のように8つの時期に分け,それぞれ対立する2項によってその時期の発達課題(ないしは危機)を表わした.
以下簡単に説明を加えると,第1段階の口唇=感覚期は,母親を中心とする周囲の世界への‘基本的信頼対不信",筋肉=肛門期は,自分の意思の力で行動する自信とそれに対する制止としての‘自律対恥,疑惑’,移動=性器期は,自分の知的運動的能力のあくなき積極的行使とそこから結果する行き過ぎへの責任感という‘自発性対罪悪感’,潜在期は,あらゆることの製作・形成への熱心な参加とその失敗や絶望という‘勤勉対劣等感’,モラトリアム(猶予期間)である青年期は,過去のすべての同一化や自己像の統合とその失敗という‘同一性対役割混乱’,若い成年期は,自己放棄をいとうことのない他者との親密な関係の希求とその回避という‘親密さ対孤独’,成年期は,子育てなどの他者や次の世代への献身と自己への埋没という‘生殖性対停滞’,円熟期は,過去の人生への満足感と後悔という‘自我の統合対絶望’である.
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