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内容のポイント Q&A
Q1 がんロコモの概念とは?
がんロコモとは,がん自体,がん治療,あるいはがん患者に併存する運動器疾患によって,骨・関節・筋肉・神経等の運動器に障害が生じ,移動機能が低下した状態である.日本整形外科学会は2018年に,がん患者のADLおよびQOLの向上を目指す概念として,がんロコモを提唱した.がんロコモは,①がん自体による運動器障害,②がん治療による運動器障害,③がんに併存する運動器障害の3つに分類される.移動機能の低下はPerformance Statusを悪化させ,がん治療の選択や継続にも影響し得るため,がん診療において重要な評価概念である.
Q2 がんロコモの疫学は?
がんロコモの疫学はいまだ十分には確立していないが,近年の研究ではがん患者におけるロコモ有病率が極めて高いことが示されている.一般住民を対象とした研究では約70%がロコモに該当するとされる一方,がん患者を対象とした研究では約90%以上がロコモに該当すると報告されている.がん患者では加齢に伴う運動器疾患に加え,骨転移,悪液質,低栄養,化学療法誘発性末梢神経障害,治療中の活動量低下等が重なり,移動機能低下をきたしやすい.
Q3 がんロコモに関する最近のエビデンスは?
近年の研究では,がんロコモがQOL低下・がん関連倦怠感・睡眠障害・抑うつと相互に関連すること,周術期がん患者や地域在住がんサバイバーにも高頻度に認められること,Phase Angle等の簡便な指標ががんロコモ評価に応用できる可能性が示されている.また,運動療法やPrehabilitationは,身体機能・術後合併症・QOL・治療耐容性の改善に寄与する可能性があり,2025年には結腸がん術後患者に対する構造化運動プログラムが無病生存期間を改善したランダム化試験も報告された.今後は,各がん種におけるがんロコモの発症率・進行因子・予後への影響を明らかにし,具体的なリハビリテーション治療法を確立することが課題である.

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