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第5土曜特集 臓器連関が解き明かす疾患の深層
臓器連関と代謝疾患
交感神経系を介した褐色脂肪組織の制御
Sympathetic nervous system and brown fat thermogenesis
米代 武司
1
,
荒井 誠
1
,
酒井 寿郎
1
Takeshi YONESHIRO
1
,
Makoto ARAI
1
,
Juro SAKAI
1
1東北大学大学院医学系研究科分子代謝生理学分野
キーワード:
褐色脂肪組織
,
交感神経
,
エピゲノム
,
生活習慣病
Keyword:
褐色脂肪組織
,
交感神経
,
エピゲノム
,
生活習慣病
pp.674-679
発行日 2026年8月29日
Published Date 2026/8/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298090674
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- 参考文献 Reference
交感神経は,褐色脂肪組織の熱産生活性や遺伝子発現の調節において中心的な役割を担っている.寒冷刺激や薬理刺激によって褐色脂肪組織を慢性的に活性化させると,マウスとヒトのいずれでも体脂肪減少効果やインスリン感受性改善効果が得られる.交感神経によって誘導される熱産生の分子機構は,脱共役タンパク質UCP1依存的な機構に加え,無益回路を介した経路が多数見つかっている.また交感神経は,熱産生遺伝子発現調節に不可欠なクロマチン構造の変化やエピゲノムの書き換えの制御にも寄与している.さらに近年,寒冷刺激による褐色脂肪組織の機能制御が世代を超えて伝搬することが明らかになり,βアドレナリン受容体(β-AR)が経世代的運命決定の鍵になっている可能性が示唆されている.今後,褐色脂肪細胞の細胞多様性と交感神経制御の詳細な分子基盤が解明されることにより,薬理的刺激の特異性を高めるための分子標的が見つかり,臨床応用可能な代謝疾患予防法への応用につながることが期待される.

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