発行日 2007年12月1日
Published Date 2007/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00764.2008060703
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褐色脂肪腫3例(症例1:31歳男、症例2:68歳女、症例3:53歳女)について標記の検討を行った。症例1は右背部腫瘤で、MRI画像では皮下脂肪組織と比較してT1強調像でわずかに低信号、T2強調像で等信号、STIR像で高信号を呈した。辺縁切除縁での切除生検は病理組織学的にeosinophilic cellとpale cellが混在し白色脂肪細胞も散在し、褐色脂肪腫(mixed variant)と診断した。症例2は前医で左膝窩部腫瘤切除術を施行されたが残存腫瘍が増大した。MRIはT1・T2強調像ともに低信号、STIR像では高信号を呈し、前医での摘出腫瘍の病理組織所見は症例1と同様であった。症例3は右大腿部腫瘤で、MRIではT1・T2強調像ともに等信号、STIR像ではわずかに高信号を呈し、一部に筋線維が腫瘍内に存在していた。辺縁切除縁での切除生検の病理組織学的所見は成熟した白色脂肪細胞が優位であったがeosinophilic cellとpale cellも散在し、筋肉内褐色細胞腫(lipoma-like variant)と診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2007