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特集 褐色・ベージュ・白色脂肪細胞研究UPDATE
熱産生性脂肪のエピジェネティクス
Epigenetic regulations of adipose thermogenesis
稲垣 毅
1
,
酒井 寿郎
2,3
Takeshi INAGAKI
1
,
Juro SAKAI
2,3
1群馬大学生体調節研究所代謝エピジェネティクス分野
2東北大学大学院医学系研究科分子生理学分野
3東京大学先端科学技術研究センター代謝医学分野
キーワード:
褐色脂肪細胞
,
ベージュ脂肪細胞
,
エピゲノム
,
DNAメチル化
,
ヒストン修飾
Keyword:
褐色脂肪細胞
,
ベージュ脂肪細胞
,
エピゲノム
,
DNAメチル化
,
ヒストン修飾
pp.1144-1149
発行日 2022年3月12日
Published Date 2022/3/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280111144
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褐色脂肪やベージュ脂肪といった熱産生性脂肪の機能やそれらを構成する細胞の分化には,温度環境やエネルギー代謝環境といった外部環境が関与する.エピゲノムはこのような環境依存性の制御に適した機構である.最近,単一細胞を用いた次世代シーケンス解析技術などを用いて熱産生性脂肪を構成する細胞の起源や機構の多様性が明らかにされてきており,今後エピゲノム,エピトランスクリプトーム解析分野での一細胞解析が広く行われていくことが予想されるものの,現状では異なる性質をもつ脂肪細胞種の分化や性質の制御基盤となる詳細な分子機構についてはいまだに不明な点も多い.本稿では,分化や環境応答に重要な役割を果たすと考えられるエピゲノム制御機構に関するこれまでの知見について,ノンコーディングRNAからRNAメチル化修飾,DNAメチル化修飾,ヒストンの各種修飾までを整理し考察する.
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