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特集 自律神経と免疫――ここまでわかった神経-免疫相互作用のメカニズム
交感神経による免疫細胞動態の制御
Control of immune cell dynamics by adrenergic nerves
中井 晶子
1
Akiko NAKAI
1
1大阪大学免疫学フロンティア研究センター免疫応答動態学研究室,同微生物病研究所免疫応答動態分野
キーワード:
交感神経
,
アドレナリン受容体
,
免疫細胞動態
,
免疫応答
,
日内変動
Keyword:
交感神経
,
アドレナリン受容体
,
免疫細胞動態
,
免疫応答
,
日内変動
pp.1095-1099
発行日 2021年6月26日
Published Date 2021/6/26
DOI https://doi.org/10.32118/ayu277131095
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生体内における秩序だった免疫細胞の移動と配置は,免疫系が正常に機能するうえで必須であり,そのプロセスはケモカインに代表される走化性因子やインテグリンに代表される細胞接着分子によって制御されている.近年,自律神経系による免疫制御のメカニズムについての理解が急速に進むなかで,免疫細胞の動態が交感神経によって制御される分子機構が明らかになってきた.交感神経からの入力は,免疫細胞およびそれらを取り巻く微小環境に発現するアドレナリン受容体を介してリンパ球や好中球の移動を調節している.この仕組みは,交感神経活動の概日リズムに同期した免疫応答の日内変動の形成に寄与している.本稿では,これらの知見に基づいて交感神経による免疫細胞動態の制御メカニズムとその生理的意義について述べる.
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