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第5土曜特集 臓器連関が解き明かす疾患の深層
臓器連関と代謝疾患
運動と胎盤による臓器連関機構
Inter-organ communication mediated by exercise and the placenta
楠山 譲二
1
Joji KUSUYAMA
1
1東京科学大学大学院医歯学総合研究科生体情報継承学分野
キーワード:
胎盤
,
DOHaD
,
プラセントカイン
,
肥満
,
養育行動
Keyword:
胎盤
,
DOHaD
,
プラセントカイン
,
肥満
,
養育行動
pp.680-685
発行日 2026年8月29日
Published Date 2026/8/29
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298090680
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妊婦の生活習慣は,子の成人期の慢性疾患発症リスクに強く影響する.この概念はDOHaD仮説と称され,2型糖尿病はその代表的疾患である.DOHaDの影響は,子が通常の生活習慣を送った場合でも覆すことが困難であり,重篤な健康格差の原因となる.筆者らは,運動が健康に与える多面的有益性に着目し,妊娠期の運動が母親の肥満による子への耐糖能障害の伝播を防ぐことを見出した.妊娠期のみに母体に形成される胎盤は,さまざまな生理活性物質(プラセントカイン)を分泌する.筆者らは,妊娠中の運動が子の糖代謝を向上させるメカニズムを解明するなかで,胎盤が運動応答性臓器であるという着想を得た.胎盤由来SOD3は,胎児肝臓のエピゲノム変化を誘導することで糖代謝遺伝子の発現を向上させる機能を持つ.また,SOD3は臍帯血と母体血の両方に分泌され,母親の養育行動に影響を与えることもわかった.本稿では,妊娠期運動効果の有益性とその分子メカニズムについて最新の知見を紹介する.

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