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特集 褐色・ベージュ・白色脂肪細胞研究UPDATE
褐色脂肪組織の機能制御における分岐鎖アミノ酸代謝の役割
Roles of branched-chain amino acid metabolism in the control of brown fat thermogenesis
米代 武司
1
Takeshi YONESHIRO
1
1東京大学先端科学技術研究センター代謝医学分野
キーワード:
褐色脂肪組織
,
分岐鎖アミノ酸(BCAA)
,
トランスポーター
,
ミトコンドリア
,
インスリン感受性
Keyword:
褐色脂肪組織
,
分岐鎖アミノ酸(BCAA)
,
トランスポーター
,
ミトコンドリア
,
インスリン感受性
pp.1160-1165
発行日 2022年3月12日
Published Date 2022/3/12
DOI https://doi.org/10.32118/ayu280111160
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肥満や関連代謝性疾患には,糖や脂質に加えて分岐鎖アミノ酸(BCAA)の代謝異常が密接に関与している.最近,褐色脂肪組織は寒冷刺激に応じてBCAAを選択的に分解して熱産生を行うことが明らかになった.このBCAA利用は,効率的な褐色脂肪組織の熱産生や全身性耐糖能制御に不可欠であった.さらに,長年みつかっていなかったミトコンドリアBCAAトランスポーターとしてSLC25A44(MBC)が同定された.ミトコンドリアにおけるMBCを介したBCAA分解は,寒冷誘導熱産生だけでなく,視床下部-プロスタグランジンE2(PGE2)-交感神経を介した褐色脂肪組織の発熱応答にも寄与することが判明した.本稿では,褐色脂肪組織におけるBCAA代謝分解の生理的意義とMBCの役割を概説する.
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