特集 明らかになる褐色脂肪組織の機能:今、第三の細胞が目覚める
ヒト褐色脂肪組織の機能と制御
斉藤 昌之
1
1天使大学 大学院看護栄養学研究科
キーワード:
エネルギー代謝
,
褐色脂肪組織
,
加齢
,
交感神経系
,
人種
,
性因子
,
X線CT
,
低温
,
肥満
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
体脂肪分布
,
陽電子放射型断層撮影
,
褐色脂肪細胞
Keyword:
Aging
,
Adipose Tissue, Brown
,
Cold Temperature
,
Energy Metabolism
,
Obesity
,
Sex Factors
,
Sympathetic Nervous System
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Fluorodeoxyglucose F18
,
Continental Population Groups
,
Adipocytes, Brown
,
Body Fat Distribution
,
Positron-Emission Tomography
pp.778-782
発行日 2013年6月22日
Published Date 2013/6/22
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褐色脂肪組織(BAT)がエネルギー代謝や体脂肪量の調節に寄与することはマウスなどで確立していたが,ヒト,特に成人ではその存在や意義が疑問視されてきた.しかし最近,がんの画像診断法であるFDG-PET/CTを利用して,成人のBATを同定し活性を評価する方法が確立された.その結果,①若年者のBATは寒冷曝露などの交感神経性刺激によって活性化され,②全身のエネルギー消費調節に寄与する,③肥満者や中高年者では活性が低下しており,④高い活性を保持していれば加齢に伴う体脂肪蓄積が抑制されることなどが判明した.これらを踏まえて,不活性になったBATを再活性化して肥満を軽減・予防する試みがなされている.
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