特集 明らかになる褐色脂肪組織の機能:今、第三の細胞が目覚める
褐色脂肪組織の生理的役割と機能制御
坂本 智弥
1
,
高橋 信之
,
後藤 剛
,
河田 照雄
1京都大学 大学院農学研究科食品生物科学専攻食品分子機能学分野
キーワード:
遺伝子発現調節
,
褐色脂肪組織
,
甲状腺ホルモン受容体
,
低温
,
糖尿病
,
肥満
,
Cyclic AMP Response Element-Binding Protein
,
食後
,
ノックアウトマウス
,
熱産生
,
ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体
,
ATF2転写因子
,
ミトコンドリア脱共役タンパク質1
Keyword:
Uncoupling Protein 1
,
Adipose Tissue, Brown
,
Diabetes Mellitus
,
Cold Temperature
,
Gene Expression Regulation
,
Obesity
,
Receptors, Thyroid Hormone
,
Cyclic AMP Response Element-Binding Protein
,
Postprandial Period
,
Mice, Knockout
,
Thermogenesis
,
Peroxisome Proliferator-Activated Receptors
,
Activating Transcription Factor 2
pp.763-768
発行日 2013年6月22日
Published Date 2013/6/22
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熱産生機能を担う褐色脂肪組織(BAT)は高い脂肪異化能を有する組織であり,近年,成人においてもその存在・重要性が明らかにされている.BATの生理的役割としては,体温調節が挙げられ,寒冷時や食後の熱産生に寄与している.また,BAT機能は肥満との相関が指摘されており,肥満症治療の標的組織として注目されつつあることから,その機能制御機構についても精力的な研究が行われている.その結果,内因性の活性調節因子のみならず,食餌成分を含む外因性の活性調節因子に関しても多くの知見が集積しつつある.本稿では,BATの生理的役割および内因性・外因性因子による機能制御機構について解説する.
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