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第1土曜特集 医療に貢献する糖鎖研究最前線
消化器疾患
炎症性腸疾患(IBD)とムチン糖鎖異常
Aberrant mucin glycans in the pathogenesis of inflammatory bowel disease
奥村 龍
1
Ryu OKUMURA
1
1大阪大学大学院医学系研究科免疫制御学
キーワード:
炎症性腸疾患(IBD)
,
ムチン糖鎖
,
上皮バリア
,
腸内細菌
Keyword:
炎症性腸疾患(IBD)
,
ムチン糖鎖
,
上皮バリア
,
腸内細菌
pp.428-433
発行日 2026年8月1日
Published Date 2026/8/1
DOI https://doi.org/10.32118/ayu298050428
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- 参考文献 Reference
炎症性腸疾患(IBD)は,クローン病(CD)や潰瘍性大腸炎(UC)に代表される消化管粘膜に慢性の炎症,びらんをきたす難治性疾患である.その発症原因は,さまざまな遺伝的素因や環境要因など多岐にわたるが,IBD患者のゲノム解析や遺伝子組換えマウスを用いた動物実験などにより,その病因のひとつとして腸管上皮のバリア機能の低下が明らかとなっている.杯細胞から産生される糖タンパク質のムチンは代表的な上皮バリア分子であり,付加されるO型糖鎖はそのムチンの機能維持に極めて重要である.IBD患者のムチンではO型糖鎖の構造異常が確認されており,特定の糖転移酵素遺伝子の改変マウスでは,粘液のバリア機能低下とともに腸内細菌の組織侵入を許すことで腸管炎症が発症することが明らかとなっている.今後はムチン糖鎖をターゲットとした新たなIBD治療の開発が期待される.

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