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特集 ここまでわかった 嗅覚・味覚とその障害
【嗅覚・味覚研究の進歩】
嗅覚受容体遺伝子の進化
新村 芳人
1
Yoshihito Niimura
1
1宮崎大学農学部獣医学科
キーワード:
嗅覚
,
嗅覚受容体
,
哺乳類
,
ゲノム
Keyword:
嗅覚
,
嗅覚受容体
,
哺乳類
,
ゲノム
pp.12-16
発行日 2026年1月1日
Published Date 2026/1/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001944
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はじめに
「嗅覚のことなど,それまで考えたこともありませんでした。普通はそうでしょう?でも,いざ失ってみると,目が見えなくなったも同然です。人生の風味といったものが,あらかたなくなってしまうわけですから。人は気づいていませんが,“風味”って結局は臭(にお)いなんです。人の臭い,本の臭い,町の臭い,春の臭いといったものを,われわれはちゃんと嗅いでいるんです……おそらく意識はしていないでしょうが,臭いは他のすべての物をひきたてる豊かな背景なのです。だから嗅覚を失ったとたん,わたしには世界がひどく味気ないものになってしまったのです……」(オリバー・サックス『妻を帽子とまちがえた男』1))。

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