特集 耳鼻咽喉科領域の発達変化と加齢変化
発達変化と加齢変化の基礎知識
嗅覚
市村 恵一
1,2
Keiichi Ichimura
1,2
1東京みみ・はな・のどサージクリニック
2自治医科大学名誉教授
キーワード:
発達変化
,
加齢変化
,
嗅覚
,
嗅上皮
,
嗅球
,
発生
,
変性疾患
Keyword:
発達変化
,
加齢変化
,
嗅覚
,
嗅上皮
,
嗅球
,
発生
,
変性疾患
pp.1438-1442
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000000874
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嗅覚の発達
1.嗅覚器の発達
1)胎生期の嗅覚器
胎生第4週,第11ステージから,胚の前頭突起にある局所間葉組織と前脳の腹側(終脳)は,細胞増殖を通じて鼻プラコード(嗅覚プラコード:嗅板)を形成する1)。以後の嗅覚器の発生については,嗅上皮側と嗅球側に分けた上で表1にまとめた。外胚葉起源という共通点があるにもかかわらず,嗅上皮は嗅板に由来し,嗅球は他の中枢神経系構造と同様に神経管の胚葉帯から発生する。嗅覚路形成の初期段階において,嗅上皮と嗅球は同時に,しかし独立した発達プログラムで進むが,発達が進み,嗅上皮からの軸索が新生嗅球を支配するようになると,両者の発達プログラムは相互に関連するようになる2)。
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