Japanese
English
第1土曜特集 五感を科学する――感覚器研究の最前線
嗅覚
嗅覚の分子メカニズム
Molecular mechanisms for olfaction
神戸 朱琉
1
,
東原 和成
1
Akari KAMBE
1
,
Kazushige TOUHARA
1
1東京大学大学院農学生命科学研究科応用生命化学専攻生物化学研究室
キーワード:
嗅上皮
,
嗅神経細胞
,
嗅覚受容体
,
嗅球
,
嗅皮質
Keyword:
嗅上皮
,
嗅神経細胞
,
嗅覚受容体
,
嗅球
,
嗅皮質
pp.708-713
発行日 2022年8月6日
Published Date 2022/8/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu28206708
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匂い分子は鼻腔の中に入り,嗅上皮の嗅神経細胞に発現する嗅覚受容体に受容される.そのシグナルが嗅球を経て高次脳領域に伝達されることで,匂いの知覚が引き起こされる.嗅覚受容体遺伝子の発見以降,受容体と匂い分子が “多対多” の関係にあることや,1つの嗅神経細胞には1つの受容体しか発現しないこと(1細胞1受容体ルール)など嗅覚の分子・神経基盤が明らかになってきた.さらに,近年のゲノム解析や神経科学的手法の発展により,嗅覚研究は加速度的に進歩してきた.一方で,生体における嗅覚の匂い超感受性をはじめ,現在の知見では十分説明できない現象も存在する.本稿では,匂い分子が嗅覚器で感知されてから知覚に至るメカニズムに関して,最新の知見を概説したい.
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