特集 透析患者の感覚器障害
4.嗅覚障害(3)嗅覚と味覚の関連性
城田 直子
1
,
金澤 良枝
1
,
高橋 俊雅
2
,
中尾 俊之
3
1東京家政学院大学人間栄養学部人間栄養学科・管理栄養士
2望星新宿南口クリニック
3腎臓・代謝病治療機構
キーワード:
透析患者
,
味覚
,
嗅覚
,
自己意識
,
食事管理
Keyword:
透析患者
,
味覚
,
嗅覚
,
自己意識
,
食事管理
pp.61-65
発行日 2020年1月10日
Published Date 2020/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001161
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維持血液透析(HD)の栄養管理で風味やおいしさを味わうには,嗅覚・味覚の状態が重要な因子となるが,HD 患者に対する嗅覚研究の報告は非常に少ない.そこでHD 患者61 名,年齢63.0±10.4 歳,透析歴11.3±9.6 年を対象に嗅覚・味覚の状態について検討した.その結果,52.5 %に嗅覚異常を認め,4 味(甘・塩・酸・苦)に対してはそれぞれ7 割以上に味覚異常を認めた.また,嗅覚同定能力が低い患者は塩味を高濃度でなければ識別できないことが明らかとなり,嗅覚と味覚に関連性が認められた.しかし,実際の嗅覚・味覚能力と患者自身の自己意識には乖離が生じていることより,客観的な評価が必要と考えられた.
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