Japanese
English
綜説
進行性腎癌の治療と予後
Treatment and Prognosis of Advanced Renal Cell Carcinoma
田崎 寛
1
,
畠 亮
1
,
勝岡 洋治
1
Hiroshi Tazaki
1
1慶応義塾大学医学部泌尿器科学教室
1Department of Urology, School of Medicine,Keio University
pp.915-924
発行日 1975年11月20日
Published Date 1975/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202058
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緒言
腎癌とは正確には腎腺癌であり,一般に言うGrawitz腫瘍またはhypernephromaである。腎腫瘍としては腎癌のほかにWilms腫瘍と腎盂腫瘍を含めて記載される場合が多いが,ここではいわゆるGrawitz腫瘍についてのみ述べることにする。
Grawitz腫瘍は古くからhypernephroma(副腎腫)という名が使われて,その組織像の類似性から副腎組織の迷入によつて発生するという考え方が支配的となつていた。1960年代に電子顕微鏡による観察1)で近位尿細管のbrush borderに類似の構造が認められた結果,腎の尿細管上皮細胞を起源とするという結論に落ち着いた。したがつてGrawitz腫瘍は腎癌または腎腺癌という考えがようやく定着しようとしている現状である。腎癌のこのような発生母地に関する混乱以上に臨床像の多彩性はむしろこの腫瘍の特徴と言つてよい。それはGrawitz腫瘍の原発巣自体によるよりも転移巣によるもののほうが先行し,しかも重要である場合が多い。

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