文献抄録
腎癌の大静脈侵襲とその予後について
pp.137
発行日 1983年2月20日
Published Date 1983/2/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413203514
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腎癌の下大静脈への侵襲の頻度は4〜10%程度であるが,その予後については非常に悪いとの見解もあるが,また反対の意見もある。
この問題については多数の症例について検討を加えなければ決定的な結論は得られないが,著者らは1970年から1980年までの自験例27例と,文献上集計し得た46例,計73例について,その予後を検討報告している。著者の経験症例27例については,腎静脈の腫瘍栓塞7例,横隔膜下まで10例,横隔膜をこえているもの7例,右側心室まで3例であつた。この27例中腫瘍の栓塞で臨床症状を呈したものは僅かに2例(7%)であつた。自験の27例中大静脈の腫瘍栓塞のみは20例,他の7例は同時に遠隔部位の転移を認めている。
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