シンポジウム
膀胱尿管逆流
辻 一郎
1
,
土田 正義
2
,
酒井 晃
3
,
生駒 文彦
4
,
川村 猛
5
,
瀬尾 康平
6
,
折笠 精一
1
,
高村 孝夫
7
,
三品 輝男
8
,
大田黒 和生
9
,
園田 孝夫
10
,
新島 端夫
11
1北海道大
2秋田大
3富山日赤病院
4兵庫医科大
5都立清瀬小児病院
6九州大
7旭川医大
8京都府立医大
9国立小児病院
10大阪大
11岡山大
pp.927-945
発行日 1975年11月20日
Published Date 1975/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413202059
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はじめに
辻 Hutchが幼小児や成人女子の慢性あるいは頻回再発性腎盂腎炎との関連においてVURが従来考えられていた以上に重大な意義をもつことを強調すると共に積極的逆流防止手術を提唱して以来,VURは泌尿器科以外の臨床各科とも関係の深い問題として広く注目されて来た。病因・診断・治療に関し今日まで応接にいとまがない程多数の研究発表が続いているが,この問題は極めて複雑で今日なお諸家の意見にはかなりの対立があり,殊に幼小児期のVURの意義とその治療方針(逆流防止手術の適応と時期)については混乱が多い。泌尿器科学会としてこの問題を主題目として論ずるのは今回が始めてである。Hutchの問題提起以来20年を越え,わが国のVURに関する本格的研究も漸く10年に達した今日,この難問を総会シンポジウムとすることはまさに時機にかなつており,この企画をされた新島会長に敬意をささげたい。
なお本日は,問題を複雑にしないため,明らかな下部尿路通過障害や神経因性膀胱に合併するVURは除き,いわゆるprimary or non-obstructive VURにしぼつて論議を進めることとしたい。
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