今月の主題 消化器癌のトピックス
胃癌
進行胃癌の予後
三輪 潔
1
1国立がんセンター外科
pp.188-189
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402207060
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胃癌は粘膜面に発生し,深部,すなわち漿膜に向かって進行するために,手術による治療成績は胃壁深達度との関連が最も大きい.一方,リンパ節の転移が起こって,遠くに及べば及ぶほど治療成績は悪くなるし,また外科治療では効果の少ない肝転移や腹膜の播種性転移などの遠隔転移があれば一層予後は悪くなる.粘膜層または粘膜下層までにとどまるものを早期胃癌と呼ぶのに対し,固有筋層,ときには漿膜下層までにとどまるものをも含めて準早期胃癌と呼ぶこともあるが,一般には早期胃癌を除いたものを進行胃癌と呼ぶことが多い.進行胃癌の手術後の予後を全国登録調査の結果で示してみよう.症例は昭和38〜41年に胃切除をうけた5,706例を用いてあり消息不明率は3%である.治療成績は手術による直接死亡を除き,性と年齢構成を加味した相対生存率で示す.
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