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肝門部領域胆管がん手術における周術期シンバイオティクス投与の有用性
横山 幸浩
1
1名古屋大学大学院医学系研究科外科周術期管理学寄附講座 教授
pp.35-40
発行日 2021年12月30日
Published Date 2021/12/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0118.02.01_0035-0040
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胆道がんに対する手術の周術期管理では,術後感染性合併症を減らすことが最も重要な課題になる。我々はこれまで行ってきたいくつかの臨床研究で,手術侵襲に伴い腸内環境が不良になること,腸内環境が不良であると術後感染性合併症がより高率に発生することなどを見い出してきた。また,周術期にシンバイオティクスを投与することにより,腸内環境の乱れが改善され,手術侵襲に伴うバクテリアルトランスロケーションが抑制され,最終的に感染性合併症発生が抑制されることを確認してきた。本稿では,当科でこれまで行ってきた臨床研究の結果を基に,胆道がん手術周術期におけるシンバイオティクス投与の有用性について紹介する。
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