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ペプチド受容体放射性核種療法(PRRT)とは?
小林 規俊
1
1横浜市立大学大学院医学研究科がん総合医科学 准教授
pp.41-45
発行日 2021年12月30日
Published Date 2021/12/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0118.02.01_0041-0045
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ペプチド受容体放射性核種療法(peptide receptor radionuclide therapy:PRRT)は放射性核種により標識したペプチドを体内に投与し,受容体に結合させ照射する放射線内用療法の1つである。神経内分泌腫瘍(neuroendocrine tumor:NET)では,ソマトスタチン受容体に対するPRRTが施行されてきた。PRRTは治療効果や軽微な副作用とともに,継続的な内服による薬物療法と異なり,患者の身体面,精神面での負担が少ないことが特徴である。2015年に切除不能中腸NETを対象とした第Ⅲ相試験が実施され,有用性が確認された177Lu-DOTATATEは,切除不能膵・消化管NETに対する治療薬として欧州および米国で承認された。PRRTはソマトスタチン受容体イメージングにより治療効果予測が可能であり,治療(therapeutic)と診断(diagnostic)との融合を意味するtheranosticsの概念を消化器がん領域に初めてもたらした点でも注目されている。
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