特集 ポストコロナ時代のアレルギー性鼻炎診療
コロナ禍における話題
プロバイオティクスの有用性
松原 篤
1
Atsushi Matsubara
1
1弘前大学大学院医学系研究科耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座
キーワード:
プロバイオティクス
,
腸内フローラ
,
ビフィズス菌
,
乳酸菌
,
酪酸菌
Keyword:
プロバイオティクス
,
腸内フローラ
,
ビフィズス菌
,
乳酸菌
,
酪酸菌
pp.495-498
発行日 2024年5月1日
Published Date 2024/5/1
DOI https://doi.org/10.24479/ohns.0000001067
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はじめに
わが国では,スギ花粉症に代表されるアレルギー性鼻炎の有病率は増加の一途をたどっている。2019年に耳鼻咽喉科医とその家族を対象として行われた全国調査によれば1),アレルギー性鼻炎全体の有病率は49.2%,スギ花粉症は38.8%に達することが明らかにされた。その背景として,戦後に植林されたスギ樹木の成育に伴うスギ花粉飛散数の増加が要因にあることに疑いはないが,われわれ人体の側にも原因があると考えられている。その代表的なものに,乳幼児期の感染機会の減少がアレルギー疾患増加につながるとした “衛生仮説” がある。その1つとして,乳幼児期の抗菌薬投与はアレルギー疾患発症のリスクであることが明らかとされており2),抗菌薬の投与が腸内細菌叢をかく乱し,アレルギー発症の要因の1つになったと考えられている。
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