原著論文
ヒト腸管オルガノイドを用いた市販アルコール系製品のヒトノロウイルスの不活性化効果の評価
戸高 玲子
1
,
藤本 陽
2
,
芳賀 慧
1
,
股野 麻未
3
,
杉本 真也
3
,
佐藤 俊朗
4
,
片山 和彦
5
1北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学研究室・感染制御科学府ワクチン学研究室
2北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学・感染制御科学府ウイルス学
3慶應義塾大学坂口光洋記念講座(オルガノイド医学)
4慶應義塾大学坂口光洋記念講座(オルガノイド医学)教授
5北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学教授
pp.46-54
発行日 2021年12月15日
Published Date 2021/12/15
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.05.02_0046-0054
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
ヒトに感染するノロウイルス(HuNoV)は,腸管細胞に感染し胃腸炎を起こす主要なウイルスである.特に冬季に発生するウイルス性食中毒は,一件あたり数百から数万人の集団食中毒事例を引き起こす.米国の研究グループによる試算によると,世界全体でHuNoV感染症による経済的損失は,年間60億ドル(6兆6,330万円)に達すると見積もられている1).したがって,HuNoVは公衆衛生学的観点からみて,感染制御の必要性が高い病原体と認識されている2).
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.