増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第9集
微生物学的検査
ウイルス関連検査
ノロウイルス
前田 明彦
1
1高知県立幡多けんみん病院小児科
pp.592-594
発行日 2015年4月1日
Published Date 2015/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402223396
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ノロウイルス胃腸炎の病態
ノロウイルスはカリシウイルス科に属し,毎年,秋〜冬季に流行する感染性胃腸炎の原因ウイルスである.集団食中毒の原因としても事例件数はカンピロバクターに次いで2位,患者数は1位である.きわめて伝染力が強いことが最大の特徴である.エンベロープを欠くため消毒に安定で失活しにくく,ごく少数のウイルスで感染が成立するので,用心して感染対策を講じても流行を防ぐことが難しい.
感染経路には,①ヒトの吐物・糞便からヒトへ直接伝播,②ヒトの吐物・糞便から食物汚染を介してヒトへ間接的に伝播,③ウイルスが濃縮・蓄積した二枚貝からヒトへというルートがある.医療の現場で二次感染や院内感染を防ぐためには感染の有無を簡便かつ高精度に確認する方法が求められる.
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