特集 ノロウイルス研究の最前線
1.ノロウイルス研究の最新知見
片山 和彦
1
1北里大学北里生命科学研究所・感染制御科学府ウイルス感染制御学Ⅰ/国立感染症研究所ウイルス第二部
pp.4-11
発行日 2017年9月30日
Published Date 2017/9/30
DOI https://doi.org/10.34449/J0108.01.01_0004-0011
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ノロウイルス(Norovirus:NoV)は,感染性胃腸炎,大規模な食中毒を引き起こす原因ウイルスであり,感染メカニズムの解明やワクチンの開発が急務となっている.近年,分子生物学や構造生物学などの進歩により,NoVの細胞への侵入,感染機構の謎が解明されつつある.また,ヒトに感染するノロウイルス(HuNoV)のモデルとなるマウスノロウイルス(MNV)のレセプターの発見や分子疫学を用いた流行予測システムの開発は,ワクチン開発・治療薬開発を前進させた.感染制御を目指したNoV研究は,着実にその成果が表れてきている.本稿においては,NoVについて概説するとともに,最新の研究成果,ワクチン開発の現状について紹介する.
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