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第1土曜特集 My Medicine(マイ・メディシン)――オルガノイド研究が拓く新しい医療のかたち
感染症研究の観点から
ヒト腸管オルガノイドを用いた抗ウイルス創薬
Antiviral drug discovery using human intestinal organoids
片山 和彦
1
Kazuhiko KATAYAMA
1
1北里大学大村智記念研究所ウイルス感染制御学研究室・感染制御科学府ワクチン学研究室
キーワード:
ノロウイルス
,
腸管オルガノイド
,
複製増殖機構
,
抗ウイルス薬
,
消毒薬
Keyword:
ノロウイルス
,
腸管オルガノイド
,
複製増殖機構
,
抗ウイルス薬
,
消毒薬
pp.578-583
発行日 2021年2月6日
Published Date 2021/2/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27606578
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ヒトに感染するノロウイルス(HuNoV)に起因する感染性胃腸炎や食中毒の経済的・社会的ダメージは大きく,効果的な消毒薬,抗ウイルス薬,ワクチンの開発が切望されている.HuNoVの試験管内培養法が長らく未確立であったこと,感染感受性小動物モデルが作出されなかったことなどが障壁となり,創薬研究は困難をきわめていた.2011年に,Satoらによって樹立されたヒト腸管オルガノイド(hIEOs)の登場は,その後のHuNoVの創薬研究のマイルストーンとなった.hIEOsは効率よく,かつ再現性よくHuNoVを増殖培養させることが可能であり,実際のヒト腸管での感染増殖を忠実に反映している.本稿では,代替ウイルスやウイルス様中空粒子(VLP)を用いた研究や創薬を振り返りつつ,hIEOsを用いた抗HuNoV創薬の有用性を概説した.
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