特集 感染症迅速診断キットを見直す―その有用性と限界
ノロウイルス
牛島 廣治
1
,
疋田 敏之
2
,
中山 栄一
3
1日本大学医学部病態病理学系微生物学系分野
2ひきた小児科クリニック
3レーヴこどもクリニック
キーワード:
ノロウイルス
,
迅速診断
,
イムノクロマト法
,
糞便検査
Keyword:
ノロウイルス
,
迅速診断
,
イムノクロマト法
,
糞便検査
pp.1657-1662
発行日 2017年12月1日
Published Date 2017/12/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000269
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現時点での有用なノロウイルスの迅速診断はイムノクロマト法による抗原検査である.市販キットによる検出率には,糞便中のノロウイルスのウイルス量や遺伝子型により会社間で多少差がある.リアルタイムRT—PCR 法,LAMP 法,nested RT—PCR 法などの遺伝子診断と比較するとイムノクロマト法は感度が低いので,診断においては臨床所見をみながら補助手段として用いる.直腸便,浣腸便,坐薬使用時の糞便では偽陽性・偽陰性の可能性がある.今後,感度・精度がより高いイムノクロマトキットが出てくることとともに,より安価で,迅速で,簡便な遺伝子診断法の出現が望まれる.
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