Land-Mark papers in Oncology~エポックメイカーとなった論文~
「治療」Pathological CR(病理学的完全寛解)
清水 千佳子
1
1国立国際医療研究センター病院がん総合診療センター/乳腺・腫瘍内科 診療科長
pp.60-60
発行日 2021年2月10日
Published Date 2021/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0096.06.02_0060-0060
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早期乳癌に対する術前薬物療法は,薬効を短期間で,直接的に評価できるというメリットがある。1988年に始まったNational Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project(NSABP)B-18試験は,StageⅠ,Ⅱの早期乳癌に対してdoxorubicin/cyclophosphamide(AC)療法の術前投与が術後投与と比較して優れていることを検証することを目的とした大規模ランダム化比較試験であった。この試験では,副次的な目的として,原発巣に対する効果が無再発生存割合や生存割合などの長期的なアウトカムと相関するかどうかが検討され,多変量解析によって原発巣のpCRが,治療前の臨床病理学的因子とは独立した予後因子であることが示唆された1)。
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