特集 Special Article:
アルコール依存症治療の変遷 5.地域の回復施設の変遷
大嶋 栄子
1
1特定非営利活動法人リカバリー 代表
pp.32-37
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.02_0032-0037
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「Summary」中高年男性の断酒(断薬)と新しい生き方の獲得を目的に,当事者の相互援助として日本に根付いた回復施設は,利用者の多様化と重複障害の占める割合が増加するに伴い,この10年で大きく変化した。現在,運営主体のほとんどは法人格を持ち,国の障害福祉サービス事業所として指定を受け,幅広い地域生活支援を行なっている。一方,一般精神科医療における物質使用障害者の治療が広がらないなかで,それでも外来通院を主になんとか断酒(断薬),または節酒を継続できる層と,他の精神疾患や知的障害,あるいは環境的な困難などがいくつも重なり,回復に多くの時間と支援を必要とする層とに二極化する様相がみられる。回復施設はその後者を援助の対象としていることから,回復施設の現状と直面している課題について,今年3月に実施した回復施設への質問紙調査の結果から整理した。「Key Words」利用者の多様化,重複障害,障害福祉サービス,多彩な困難状況,多様な回復像
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