特集 Special Article:
アルコール依存症治療の変遷 2.自助グループの歴史と変遷
齋藤 利和
1
1特定医療法人北仁会幹メンタルクリニック院長
pp.17-21
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.02_0017-0021
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
「Summary」日本における,禁酒運動,断酒運動の歴史的変遷を述べた。日本で1番古い組織的な禁酒運動はクラーク博士によるものであり,その後,彼の教え子である札幌農学校の出身者によって禁酒が守られた。日本の禁酒運動は米国キリスト教婦人禁酒会のアッカーマンが来日し行った禁酒講演に触発されたことがその端緒である。戦後,禁酒会のなかから,断酒会の創設の動きが起こり,それに触発された人々によって断酒会が創設された。1935年に米国でビル・ウィルソンとボブ・スミスとの出会いから始まった,飲酒問題を解決したいと願う相互援助組織(自助グループ)であるAA(alcoholics anonymous)が誕生したが,日本ではメリノール会のミニー神父が12ステップを使ったAAを1975年に始めた。本稿では,これらの歴史を述べ,最後に,現在は活動が多岐にわたっている自助グループの原点である「体験に始まって体験に終わる」ということをもう一度認識する必要性について述べた。「Key Words」自助グループ,禁酒会,断酒会,AA(alcoholics anonymous),MAC
Medical Review Co., Ltd. All rights reserved.