特集 Special Article:
アルコール依存症治療の変遷 4.クリニックにおける治療の変遷
辻本 士郎
1
1ひがし布施クリニック院長
pp.27-31
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.02_0027-0031
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「Summary」アルコール専門外来は1981年の小杉クリニックから始まった。アルコール依存症を専門外来で通院治療することが可能になったのは,大阪方式と呼ばれる地域ネットワークが成熟したからである。外来治療は多くの社会資源とともに地域のなかで長期にわたり一貫して断酒生活を支えるための一手段である。外来治療を行うことで,患者本人の自己決定・飲酒渇望への対応・地域での支援・家族介入などが重要であることが見えてきた。外来治療のスタンダードは,飲むための援助はしない,自助グループ導入へのプログラムが整備されていること,個別指導が行われること,他の社会資源と連携できることである。小杉クリニックから始まった外来治療は関西から全国に広がり,その地域にあわせて発展している。今後,外来治療が,精神科クリニック,内科クリニックに広がり,アルコール依存症のトリートメントギャップが少なくなることを望んでいる。「Key Words」アルコール専門外来,大阪方式,自己決定,治療の三本柱,通院治療のスタンダード
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