特集 Special Article:
アルコール依存症治療の変遷 3.大阪におけるアルコール関連問題対応の変遷
平野 建二
1
1特定医療法人大阪精神医学研究所精神科新阿武山クリニック
pp.22-26
発行日 2016年8月10日
Published Date 2016/8/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.02_0022-0026
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「Summary」大阪は今も昔も町人の町であり,お上の号令一下で一斉に人が動くような土地柄ではない。したがってアルコール関連問題対応の始まりから大阪方式として,「医療・行政・断酒会の三位一体」が強調されていたのも必然であったと思う。振り返ってみればわれわれの仕事の多くは仲間づくりであったように思う。民間の一精神科病院から始まった断酒会を中心に,他の精神科病院の連携があり,保健所を中心とした行政が加わって,というように連携の輪は広がってきた。現在では作業所,グループホームなどの社会資源も増え,以前よりも多様な対応が可能になってきていると思う。最近はアルコール医療に携わる若い仲間も増えてきて,心強い限りである。今回,筆者自身の経験も振り返る機会を与えていただき,いかに多くの過ちや失敗を重ねてきたかと改めて気付かされた。このことを若い仲間たちに伝えていくことも,筆者の責任であると思う。「Key Words」連携,三位一体方式,自助グループ,地域医療
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