内科医のためのアルコール依存症治療
アルコール性肝障害の病態と診療
池嶋 健一
1
1順天堂大学大学院医学研究科消化器内科学准教授
pp.63-67
発行日 2016年2月10日
Published Date 2016/2/10
DOI https://doi.org/10.34449/J0078.04.01_0063-0067
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「Summary」アルコール性肝障害は脂肪肝から肝硬変に至る進行性の肝病変であり、なかでも重症アルコール性肝炎は致死率が高い病態で集学的医療を必要とする。その病態にはアルコール代謝に伴うラジカル産生による肝細胞障害に加え、腸内細菌叢および肝内自然免疫系が密接に関与していることが注目されている。わが国でもアルコール性肝障害の診断基準が新たに策定され、重症アルコール性肝炎の評価スコアが提唱されている。アルコール性肝障害の治療原則は禁酒であるが、病状に応じた治療介入が必要である。また、長期のフォローアップには、背景にあるアルコール使用障害への対応が不可欠であり、医療チームの協力体制のもと、家族を介したサポートや社会的アプローチなどにも配慮しなければならない。「Key Words」J-カーブ現象,腸内細菌,自然免疫,性ホルモン,アルコール性肝炎
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